YouTube広告の動画作成と出稿手順について
目次
近年さまざまな媒体で動画を使った広告やプロモーションが増えています。
動画広告で成功をするためにも、多くの視聴者が見たくなる広告動画の制作と手順を知っておくと良いでしょう。新しく動画マーケティングを始める方・担当になる方へ向けて、YouTube広告の動画制作のポイントと広告出稿までの手順をご紹介します。
YouTube広告の入稿規定を確認
YouTube広告を出稿する際、必ず入稿規定を確認しておきましょう。これらが守られていないと、広告表示が不承認になることがあります。
- 動画広告の時間
- 動画広告内でのデータ収集
- 動画フォーマット
- 動画の品質
- 著作権侵害している、アダルト・衝撃的コンテンツは利用禁止 など
参照元:Google 広告ポリシーヘルプ
動画広告の時間については、後述する「YouTube広告出稿用の動画制作のポイント」で紹介します。
動画広告でのデータ収集
トラッキングピクセルやJavascriptの使用に制限があり、Google 広告によると以下のようなケースも不承認になります。
- トラッキング ピクセル(後続の呼び出しも含む)が SSL に対応していない
- トラッキング ピクセルがミッドポイント イベントや完了イベントで使用されている
- 1つのイベントに3個を超えるトラッキング ピクセルが含まれている
- データ収集に Javascript を使用している
参照元:Google 広告ポリシーヘルプ
動画フォーマット
Google 広告やYouTubeにサポートされていないフォーマットでアップロードすると、許可がおりません。サポートされているファイル形式になっているかを確認しましょう。
ファイル形式の確認はこちらから → YouTube でサポートされているファイル形式
動画の品質
一定の品質を満たしていない動画とは、読めないテキストや聞こえにくい音質、見づらい画像が含まれているものです。
宣伝したい商品やサービスの会社名が明記されていないものも不承認になるケースがあります。広告主や商品名、サービス名がはっきり分かるよう制作しましょう。
さらに、広告の見出しと内容に関連性がないものやリンク先で表示される内容が正確ではなく広告動画との関連性が不明確と判断されると不承認になります。
また、句読点やアルファベットの大文字を正しい使い方をしていない場合も、不承認になってしまうので注意が必要です。
著作権侵害、アダルト・衝撃的コンテンツはNG
著作権で保護されているコンテンツを許可なく使用しているものや、無断で配布するサイトやアプリなどは不承認になります。
性的描写が露骨なコンテンツや児童への性的虐待などのアダルトコンテンツもGoogleでは認められていません。
衝撃的なコンテンツに相当するのは、暴力や恐怖を覚えるものや、誹謗中傷するもの、動物への残虐行為などです。
参照元:Google 広告ポリシーヘルプ
YouTube広告出稿用の動画制作のポイント
YouTube広告を出稿するには、広告用動画をYouTubeにアップロードして使います。まずは広告用動画制作のポイントを解説します。
広告動画の尺の長さ
動画に必要な尺の長さは、出稿する広告の種類によって異なります。
- TrueView インストリーム広告
- TrueView ディスカバリー広告
- バンパー広告
- アウトストリーム広告
- マストヘッド広告
TrueView インストリーム広告は、5秒たったらスキップできる広告と、スキップできない広告があります。スキップ可能なTrueView インストリーム広告に、時間制限はありませんが、3分未満にすることをYouTubeは推奨しています。
スキップできないTrueView インストリーム広告は15秒未満、バンパー広告は6秒未満です。
アウトストリーム広告は15~30秒、ディスカバリー広告は15秒以上、マストヘッド広告は30秒未満で制作するとよいでしょう。
YouTube動画広告の種類についてはこちらの記事で紹介しています。
YouTube動画広告の種類と特徴やメリット | YouTube総合情報メディア かむなび
ターゲットを明確にする
商品やサービスを購入する見込み客の年齢や性別、職業・収入、悩み、趣味・嗜好などを設定してから制作を始めましょう。
見込み客のターゲットを具体的に決めることで、顧客の理解を深めることができます。見込み客の目線になって「欲しい、利用したい」と思えるような動画にすることが重要です。
重要なことは最初の5秒におさめる
スキップ可能な広告でも5秒は視聴者が見るので、一番伝えたいことは最初の5秒以内に差し込みましょう。
伝えたいことがたくさんあり、一つに絞るのは難しいかもしれませんが、そんな時に役立つのは前項で決めたターゲット像です。
ターゲットにどのように感じてもらいたいか、考えてもらいたいかに焦点をあてると絞りやすくなります。
インストリーム広告などの最初の5秒までによく見られるのは、最も伝えたい内容を一言で伝えてから会社のロゴを出すという流れです。
他には、ストーリー仕立てで続きが気になるようにするなどの方法で、興味や関心をいかに引けるかが重要なポイントになります。
WEB広告用の動画1本あたりの制作費用感はどのくらい?
WEB広告用の動画制作の費用を知るためには、動画制作をどのように行うかで異なります。
企画・撮影・編集のスキルがあれば自主制作できればほぼ費用はかかりませんが、難しい場合も多いでしょう。個人や自社で広告用動画の制作が難しい場合には、動画制作会社に依頼する方法があります。
制作会社でかかる動画広告1本あたりの費用の相場の一般的な価格帯は40~80万円前後と言われています。
制作費が高額になりやすいのは、撮影に何台もカメラやドローンを使用すると機材代がかさむケースやアニメーションを使ったり、編集に細かい指示や演出を加えすぎたりする場合になります。見積りの際に制作会社に確認をしましょう。
YouTube広告動画の成功事例
YouTubeの広告動画の活用事例を2つ紹介します。どちらも商品紹介の広告動画ですが、異なるアプローチを行っており、つい最後まで見てしまうところがポイントです。
成功事例①220万回再生された15秒動画
Google Home「料理の時間がちょっと変わる」篇
再生時間:15秒
再生回数:220万回(2020年1月現在)
料理をしているときに手がベタベタ、でもタイマーをセットしたい…。よくある日常の一コマをちょっと便利にできるという商品のコンセプトが伝わります。
もちろん手を洗えばいいだけなのですが、つい肘でタイマーをセットしたくなるのは理解できるのではないでしょうか。
このような日常のささいなことを広告に利用できる点が、ユーザーの共感に繋がり商品に親近感を持たせられます。
成功事例②合コンのあざとかわいい女性をコミカルに
重ねドルチェ CM る鹿 「無敵の合コンテクニック!?」篇
再生時間:4分17秒
再生回数:46万回(2020年1月現在)
綺麗女性が合コンに使えるあざとかわいいテクニックを披露する動画です。合コンテクニックをいくつも繰り出す様子を、何層にも重ねたスイーツとかけています。
次は何を出してくるのかが気になって、つい最後まで見てしまいます。
この広告の場合はストーリーの続きが気になるだけでなく、音楽もキャッチーで一度聴いたらすぐに覚えられるところも、見た人の心を掴むポイントになっていきます。
出稿手順
広告用の動画制作が完了したら、いよいよYouTube広告を出稿します。YouTube広告の動画の出稿手順は以下の通りです。
Google 広告の登録は必須
YouTubeで広告を出す場合には、Google 広告から広告出稿の設定を行います。Google 広告はGoogleのアカウントがあれば利用できます。
Google 広告にログイン方法の手順です。
- Google 広告のホームページを開きます。
- ページの右上にある [ログイン] リンクをクリックします。
- [メール] 欄に Google アカウントのメールアドレス、予備のメールアドレス、または Gmail のユーザー名を入力します。
- [パスワード] 欄にパスワードを入力します。
- [ログイン] をクリックします。
参照元:Google 広告へのログイン
広告動画をアップロードする
通常の動画と同じ手順で動画をYouTubeにアップロードします。
- YouTube Studioを開き動画をアップロードする
- 動画のタイトルを入力し、サムネイルを決める
- 公開設定を「限定公開」または「公開」に設定する
サムネイルは別に用意したものをアップロードもできますし、動画の中から指定することもできます。公開設定を「非公開」にしてしまうと、広告に使えないので必ず設定しておきましょう。
キャンペーンを設定する
次にGoogle 広告にログインして「新しいキャンペーン」を作成していきます。Google 広告でのキャンペーンとは、広告出稿フォーマットのことを指します。
Google 広告はこちら → https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/
①キャンペーンの目的を選択
以下の項目の中から選択します。
- 販売促進
- 見込み客の獲得
- ウェブサイトのトラフィック
- 商品やブランドの比較検討
- ブランドと認知度とリサーチ
- アプリのプロモーション
- 目的を指定せずにキャンペーンを作成する
②キャンペーンタイプを選択
ここでは、以下の2項目が表示されますが「動画」を選びます。
- ディスプレイ(ウェブ全体にさまざまな種類の広告を配信します)
- 動画(YouTubeとウェブ全体でユーザーにリーチします)
③キャンペーンのサブタイプの選択
広告の目的に合ったサブタイプを選択します。前述した広告の種類を参考にしてください。
- カスタム動画キャンペーン(インストリーム、バンパー、ディスカバリーなどを使って設定をカスタマイズ)
- スキップ不可のインストリーム
- アウトストリーム
- コンバージョンの促進
- 広告シーケンス(複数の広告を組み合わせるタイプ)
- ショッピング
④予算の入力と配信期間、ネットワークの設定
予算金額を入力し、キャンペーンの開始日と終了日を決めます。ネットワークは配信される画面を以下の項目から選びます。
- YouTube 検索結果
- YouTube 動画
- ディスプレイ ネットワークの動画パートナー
⑤その他の設定
コンバージョンや広告表示デバイス(デバイスごとにターゲティングを指定できる)、フリークエンシーキャップ、広告のスケジュールなどの設定ができます。
広告グループを作成する
「広告キャンペーン」設定後「広告グループ」を作成します。ユーザーの属性をここで絞ることができます。
①広告グループ名を決める
後に広告の効果測定する際などに、わかりやすくて管理しやすい名称を付けておくとよいでしょう。
②ユーザー属性を選択する
広告を表示させたいユーザーの性別、年齢、子供の有無、世帯年収を選択できます。
③キーワードを設定する
動画の内容に関連するキーワードを設定できます。
「キーワードの候補を取得」では、ライバルのサイトや動画のURLを貼り付けると、参考になるキーワードをチェックできるので、一度試してみるのも良いでしょう。
④トピック、プレースメント、入札単価を選択する
トピックでは動画に関係のあるカテゴリを選択しておくと、その特定のテーマに関するコンテンツに広告が表示されるように指定できます。エンタメやオンラインコミュニティ、ゲーム、ニュース、スポーツ、フードなどの項目から選べます。
プレースメントでは、広告が配信されるプラットホームを選びます。YouTube チャンネルやウェブサイト、アプリなどが該当します。
入札単価は上限広告視聴単価を入力する項目です。金額が高ければ同業他社の広告より有利になりますが、予算がかさんでしまうので予算に見合った金額を入れるとよいでしょう。
⑤プレビューで確認して配信設定完了
プレビュー画面で、モバイルとデスクトップの見え方を確認したり、遷移先のURLが合っているか確認したりできます。最後に出稿内容に間違いが無いか確認しましょう。
広告グループ保存後審査が行われ、審査に通過するとYouTube広告として配信されます。広告グループ保存(注文確定後)は、オーバーレイ広告も利用可能になります。同じくGoogle 広告から設定できます。
YouTube動画広告の出稿プロセスをおさえておこう
YouTube広告の動画制作ポイントと出稿プロセスをご紹介しました。出稿プロセスに関して紹介した項目は多いように見えますが、一つ一つの作業はとても簡単です。
広告の種類によって、どんな動画を制作するかのポイントが異なってきます。正しい入稿規定やプロセスを理解するとともに、効果的なプロモーションにつながる動画制作方法も検討するのが重要です。
YouTubeの動画広告を出稿する際の参考にしてみてください。