企業YouTubeチャンネルのメリットとデメリットを解説
目次
YouTubeチャンネルをマーケティングの手段の一つとして開設する企業が増えています。
今回は、企業チャンネルを作るメリットとデメリットを紹介します。企業チャンネルをこれから作ろうか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
企業YouTubeチャンネルとは
企業が行うYouTubeチャンネルとは、自社の公式YouTubeチャンネルを作り情報を発信することです。個人のチャンネルと同様に、チャンネルの目的に沿ったコンテンツ動画を定期的に配信することやYouTubeに出稿する広告用動画の保管などを行います。
企業が配信するコンテンツ動画の種類には、PR用のものや商材の素材感・使い方を説明するもの、商材の製造過程・こだわりを紹介するもの、企業の持つ知識を公開するものなどがあり、そのコンセプトは様々です。
コンセプトに沿ってコンテンツを配信し視聴者に興味を持ってもらうことで、商材を認知度を上げる目的や購買行動を促す目的で運営します。
企業YouTubeチャンネルのメリット
企業のYouTubeチャンネルを作るメリットについて、利用者数や動画ならではの魅力を紹介します。
YouTubeの幅広い利用者数・年齢層にアプローチできる
YouTubeは、2020年に日本国内で18~64歳の月間ユーザー数が6,500万人を超えたそうです。世界では20億人に視聴されており、100カ国以上80の言語に対応している動画プラットフォームとなっています。
(参照元:月間6,500万ユーザーを超えたYouTube、2020年の国内利用実態―テレビでの利用も2倍に、YouTube About)
下記のグラフは、令和元年に総務省が13~69歳までの1,500人の男女に行ったSNS別の利用率調査です。
(参照元:令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書)
YouTubeの利用率は、10~40代までの年代では80~90%の高い割合で利用しており、50代で75%、60代で半数近くになっています。
若年層に強いと言われていたYouTubeですが、50~60代の利用率も順調に伸びています。
YouTubeでは、このような幅広い年代や世界の視聴者に向けて企業や商材の発信を行うことができるので、認知度の向上が期待できます。
ファンの獲得につながる
YouTubeの動画には数分のものから数十分以上の長いものまであり、伝わる情報量が多い媒体です。
動画では出演者の「素」が出やすく、ネット越しでも親近感が湧き、企業や商材を知らなかった人でも動画を視聴するうちにファンになることがあります。
コメント欄でも視聴者とコミュニケーションを取れるので、より近い関係を築くことが可能です。
ファンが増えると、企業チャンネルからPRやイベントへの集客に繋げるなどのマネタイズモデルを掛け合わせることができるようになり、事業の一部または事業そのものとしての役割を果たすことになります。
検索結果からの流入
最近では、YouTube上で情報を検索する人が増えてきています。またGoogleの検索結果にYouTubeの動画が表示されることも多くなっています。
動画はテキストや画像よりも伝えられる情報量が多く、商品の使い方や素材感、使用した感想を視覚的・聴覚的に分かりやすく伝えることが可能です。
そのため購入を検討している商品を動画を見てから決めたいという人や商品を確認するために視聴する人が多いと考えられます。
動画は検索結果から流入してきた見込み客に、購入を促すきっかけになると言えます。
動画の効果測定ができる
動画公開後にYouTubeのアナリティクスを使えば、動画を見た視聴者の属性や視聴時間、視聴後のアクションなどが分かります。
属性からは動画が企業や商材のターゲットとする層に届いたか、視聴時間からは内容が興味関心を引くものだったか、内容が商品の購入などのアクションに繋がるものだったか、などの分析ができます。
またコメント欄では、視聴者が動画を好意的に受け取ったか否かの具体的な反応が分かることもあります。
これらを分析し、データを蓄積していくことで動画の企画・制作に活かし、チャンネル運用のPDCAを回すことが可能です。
PDCAを回していくとコンテンツのクオリティが上がり、視聴者が求めているコンテンツが徐々に分かるようになっていき、チャンネル運営の精度を上げていくことができるようになります。
人事採用にも繋がる
企業チャンネルは対顧客や対見込み客だけではなく、人事採用にも力を発揮します。「企業」というと顔が見えず、近寄りがたいイメージや冷たくドライなイメージを持ってしまう人も多いでしょう。
動画で実際に働いている人達の顔が見えると企業の固い印象が和らぎ、応募を考えている人に安心感が生まれます。
また情報量の多さを活かし、社長の人柄や社内の雰囲気、仕事の内容をより具体的に伝えることが可能です。
動画で会社を紹介することで、入社してからの「こんなはずではなかった」や「思っていたのと違う」といったミスマッチを減らすことが期待できます。
企業YouTubeチャンネルのデメリット
企業チャンネルを作ると良いことが多そうですが、動画ならではのデメリットも存在します。
動画制作に人・時間・お金がかかる
企業チャンネルは「人・時間・お金」の3つのコストがかかります。動画を撮影するための機材や編集ソフトの準備、撮影や編集のための人員も新たに必要です。撮影や編集にかかる時間も確保する必要があります。
より良い動画を作るためには、撮影スタジオを確保したり、シナリオを作ったりすることが必要です。こういったことができる場所や人材がすぐに確保できない場合、新たに雇わなければなりません。
動画に使うBGMや素材も無料で商用利用できるものがありますが、費用がかかることがあります。さらにYouTube動画にMCを起用する場合や人気YouTuberとコラボを行うことになれば報酬が発生します。
チャンネルをスタートする前に、これらの初期費用や運営費用を計算し把握しておきましょう。
効果が出るまで時間がかかる
お金と人員を割いて制作をしても、効果がすぐには出るものとは限りません。
1度動画を見ただけでファンになってくれる人は少なく、何度も動画を上げて視聴者とコミュニケーションを続けることでファンが増え、チャンネルが成長していきます。
企業チャンネルを作って効果が出るには最低1年ほどは考えておく必要があります。長い目で見れば資産となっていくのが動画コンテンツですが、最初のうちは赤字になる可能性も考慮しておきましょう。
動画市場にはライバル動画が多い
YouTubeは視聴者の多さや動画投稿の始めやすさから、ライバル企業も動画を制作していることが考えられます。そのため自社動画が検索結果の上位に表示されるとは限りません。
YouTubeには動画を視聴すると、同じようなカテゴリのものを関連動画で表示する仕組みがあります。関連動画の表示をコントロールすることは誰にもできないので、自社のカテゴリに興味を持っている視聴者の画面に、ライバル動画と並んで表示されることが有り得ます。
まとめ
企業にとってYouTubeチャンネルを運営することは、プロモーションとしてだけでなくコミュニケーション手段の一つになりつつあります。動画を使ってできることの可能性もまだまだこれから広がっていくでしょう。
今回紹介したメリットとデメリットを、企業チャンネルを作るかどうか、作った場合どのように運用するかを決めるための参考にしてみてください。