2020年のYouTube大胆予測

日々、新たな変化が起きているYouTube業界。
2020年はどのような発展を遂げていくのでしょうか。

昨年に引き続き、社内のYouTube専門チームが導き出した
2020年のYouTube大胆予測」をお届けしたいと思います。

私たちはYouTubeのデータを独自に蓄積し、様々な形でYouTube活用の支援を行なっておりますが、
社内の専門家の知見を総動員し、2020年、YouTubeがどのように変化していくかを予測いたしました。

以下8つの予測を立てました。ぜひご覧ください。

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<2020年のYouTube 8つの予測>
【0】すべてが集まるプラットフォームへ
【1】芸能人YouTuberのさらなる増加
【2】音楽・アニメ等プロコンテンツの増加
【3】アイドルオタク文化がYouTubeで拡大
【4】「マイノリティ」系YouTuberの増加
【5】YouTubeのビジネス活用の増加
【6】スポーツ関連のYouTubeチャンネルの増加
【7】5Gによるプラス影響が出始める
【8】広告予算や勢いのある業界でYouTube活用が活発に
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※「2019年のYouTube大胆予測」はこちら

2019年のYouTube大胆予測 | YouTube総合情報メディア かむなび

日々、新たな変化が起きているYouTube業界。 2019年はどのような発展を遂げていくのでしょうか。 今回は、「識者による2019年のYouTube大胆予測」をお届けしたいと思います。 私たちはYouTubeのデータを独自に蓄積し、様々な形でYouTube活用の支援を行なっておりますが、その各担当者の知見を総動員し、2019年、YouTubeがどのように変化していくかを予測いたしました。 …

【0】すべてが集まるプラットフォームへ

2020年のYouTube業界を一言で表すと、「すべてが集まるプラットフォームへ」です。

2020年、YouTubeにあらゆるコンテンツが集まり、
より多くの人にとってなくてはならないプラットフォームになると考えます。

これまで人気だったジャンルはさらに人気に、そしてこれまであまり目立ってこなかったジャンルも主流に、そんな流れがどんどん生まれていくと考えています。

以下、各項目で詳細に述べていきます。

【1】芸能人YouTuberのさらなる増加

これは多くの人が感じていることと思います。2019年も多くの芸能人・有名人がYouTubeに参入し話題になりました。
藤田ニコル、中田敦彦、小嶋陽菜、辻希美、本田圭佑、速水もこみち、前澤友作、ロンドンブーツ1号2号、嵐・・・。
当然ですが、これ以外にも多くの芸能人・有名人がYouTubeに新規参入、または動画内容や頻度を強化してきています。

この理由として、YouTubeがテレビに匹敵するメディアとして成長しつつあるということが挙げられます。
こちらの調査から、特に10〜20代においては、テレビと同等かそれ以上に視聴されているということがわかります。
参考:「YouTube」をほぼ毎日見ている割合: 10〜20代ではテレビ超え | 動画サービスに関する調査結果

芸能人は、見られるメディアで活躍してこそ真価を発揮します。
テレビの普及により、「映画俳優」の活躍の舞台のメインが映画からテレビに移ったように、今後はよりYouTubeをはじめとしたWebメディアに活躍の場が移っていくのかもしれません。

またこれにより、現在のYouTuberの勢力図が塗り替えられていく可能性はあります。
いわゆる今までのYouTuberも、その親近感が魅力のひとつでありすべてが芸能人に置き換えるとは思いませんが、やはり特定のジャンルでもともと高い知名度と人気を誇る芸能人YouTuberが、トップの座を獲得するということはあり得るでしょう。

もちろん、芸能人だからみんなYouTubeで伸びるかというとまったくそんなことはなく、そこにも厳しい競争はすでにありますし、今後より加速するでしょう。
その中で、本当に(YouTube的に)面白いコンテンツを配信する芸能人が生き残るでしょう。
競争で勝ち残っていくため、もしかしたら芸能人同士のコラボチャンネルなども生まれるかもしれません。

中田敦彦のYouTube大学

Yusaku Maezawa

HARUNA KOJIMA’s cat nap

【2】音楽・アニメ等プロコンテンツの増加

これまでYouTubeで公式に配信していなかった音楽やアニメ等のプロコンテンツが、配信される流れが続いており、今後もそれが続くと考えられます。

例えばアーティストでいうと、嵐やL’Arc~en~Cielといった人気アーティストの公式チャンネル開設が話題になりました。
またavexの公式チャンネルやその所属アーティスト公式チャンネルで、フル尺のミュージックビデオが大量公開されました。
これまではYouTube上ではフル尺ではなくショートバージョンでの公開が多かったので、これは新しい動きといえます。

ARASHI

L’Arc〜en〜Ciel

avex

ayu

また、アニメでも名探偵コナンが公式チャンネルでアニメを公開するなどの動きが始まっています。

【アニメ】名探偵コナン公式

ここから予想されるのは、事業構造の変化です。

これまでの音楽業界は、「CDを買ってもらう」ということが大きなポイントとなっていました。しかしそこから、音楽は「サブスク」で聴くことが普通になり、曲単体にお金を使うということが減りました。
その一方で、ライブやグッズといった「リアル」な商品は、デジタルで多様なコンテンツを無料で得られる時代において、その重要度を増したといえます。

つまり、「いかに音楽への接点を増やし、ファン化し、その後の『リアル』につなげるか」という方向に舵が切られた可能性があります。
そうだとするならば、YouTubeで無料でミュージックビデオを公開し新たなファンを獲得するというのは理に適った方法といえます。

アニメに関しても、例えば既存のプラットフォーム(テレビ、漫画など)においてある程度ファン獲得が飽和しているのなら、新たなファン層獲得のためにYouTubeは未開拓の大きなプラットフォームであるといえます。
ここからどんな効果が出るのかについては、注目していきたいと思います。
例えばグッズや映画へのプラス影響、または漫画やテレビ放映が再注目される契機になるかもしれません。

今後、音楽やアニメだけでなく、テレビ番組やドラマなどもYouTubeでの無料公開が増えることが考えられます。
これらを活かしどう事業構造を変えていくのかというところがポイントになると考えられます。

【3】アイドルオタク文化がYouTubeで拡大

2020年は、YouTubeが「アイドルオタク」も集まるプラットフォームとなっていきそうです。
(以下、あえて「オタク」という言葉を使いますがご了承ください)

きっかけとなっているのは、ジャニーズJr.、そして嵐のYouTubeチャンネル開設であると考えられます。

ジャニーズJr.チャンネル

これにより、もちろんジャニーズや嵐が好きな人がYouTubeを見るようになったと思いますが、影響はそれだけではありません。

「アイドルオタク」側の発信によるコミュニティの盛り上がりです。
「オタク」としての情報発信をする人が現れ、そのレベルの高さにその「オタク」にもファンができる、という構造です。
いわば「オタク」のロールモデル的存在であり、「オタク」に影響力を持つインフルエンサーといえます。
こういう人がどんどん現れてくると、「アイドルオタク」の中でつながりが強くなり、一種のコミュニティへと発展していきます。

また「オタク」な女性の間では「量産型ヲタク」という言葉もあります。
これは、「みんなで同じようなファッションや髪型、グッズをまとったファン」のことであり、他のファンと一緒に楽しむという傾向があります。
YouTubeの中にできつつあるコミュニティの中で、こういった人たちが相互にコミュニケーションを取っているといえます。

「kamui tracker」でタイトルやタグに関連するキーワードが含まれる動画数を調べた結果が下記となります。
どのキーワードも2019年あたりから大きく伸びていることがわかります。
※視聴回数は、各月に投稿された動画の投稿30日後時点での視聴回数の合計値です

「アイドルオタク」のYouTuberとしては以下のようなチャンネルがあります。

りおらら

ゆめぴりり

サランピTV〈SaranpiTV〉

【4】「マイノリティ」系YouTuberの増加

「生きづらさ」を抱えることの多い「マイノリティ」の人たち。
その人たちがYouTubeというプラットフォームを使い自由に発信するということが増えています。

どこからを「マイノリティ」と呼ぶのかは難しいところですが、YouTubeによって、今までの社会の中であれば生きづらさを感じていたであろう人たちが、自分らしく自由に発信し生きていけるという世の中に近づいている感じがします。

「kamui tracker」でタイトルやタグに「LGBT」というキーワードが含まれる動画数を調べた結果が下記となります。
右肩上がりで伸びている傾向が見て取れます。
※視聴回数は、各月に投稿された動画の投稿30日後時点での視聴回数の合計値です

代表的な例をご紹介します。
まずは、「LGBT」と呼ばれるようなセクシャルマイノリティの人たちのYouTubeチャンネルです。
ここ最近で活躍するチャンネルが増えています。

エルビアンTV

青木歌音

かずえちゃん

キットチャンネル

2すとりーと

ハンディキャップのある人の発信も、パラリンピックも相まって増えるかもしれません。

現代のもののけ姫Maco

【5】YouTubeのビジネス活用の増加

これまでの、広告収益や企業案件で収益を得るYouTuberのモデルとは違う目的のチャンネルが増えており、今後も増えると考えられます。
それは、YouTube以外にもともとビジネスを持っている経営者や個人事業主が、自身のビジネスに集客・ブランディング等でつなげるためにYouTubeを活用する、というものです。
もちろんチャンネル規模が大きくなれば広告収益も得られる可能性がありますが、それよりも他のビジネスへの集客などとしての活用により、大きな収益をあげるケースが増えてきています。

こういった集客・ブランディングはこれまで他のSNSやブログなどで行なわれてきたものですが、YouTubeの影響力の拡大を受け、広がっているということです。
やはりYouTubeは動画のメディアなので、他のSNSやブログのような文章・画像主体の発信よりも、よりその人・会社のことや商品のことが深くリアルに伝わるということが大きいようです。

こういった目的のチャンネル運用方針は、登録者数をとにかく増やすということではなく、いかに自分のビジネスに興味のある濃いファンを集められるか、ということにあります。
この場合、目指す規模にもよりますが、数十万人の登録者規模などは必要なく、極端にいえば登録者数1,000人でも十分に大きな収益をあげることができます。

一般にはまったく有名にならなくても、大きな収益をあげるYouTubeチャンネルということです。
今後、このようなチャンネルはさらに増えていくと考えられます。

【6】スポーツ関連のYouTubeチャンネルの増加

2019年はスポーツ系のYouTubeチャンネルで話題になったものがいくつもありました。
本田圭佑、朝倉未来、また多くの元プロ野球選手のチャンネルが生まれ人気を博しました。

2020年も東京オリンピックがあり、日本全体としてスポーツへの熱は高まると思われ、多くのスポーツ系YouTubeチャンネルが生まれると思われます。
野球やサッカーなどのメジャースポーツだけでなく、オリンピックの種目のうち国内ではどちらかというとマイナーなスポーツにおいても、YouTubeチャンネルが増加するかもしれません。
自身のチャンネル開設だけでなく、ゲストとしてYouTubeチャンネルに出演する人も増えるでしょう。

Keisuke Honda

朝倉未来 Mikuru Asakura

高木 豊 Takagi Yutaka

【7】5Gによるプラス影響が出始める

2020年には日本でも、5Gが本格的に開始される予定です。この5Gが、YouTube市場にも影響を与えると考えられます。
ただ、5GですぐにYouTubeに大きな変化が出るということはないかもしれません。

5Gの特徴は以前の記事でも書いた通り、以下の3つです。

①高速大容量
②多接続
③低遅延

「5G」がYouTube市場にもたらす影響とは? | YouTube総合情報メディア かむなび

最近よく耳にする「5G」という言葉。 この「5G」によってYouTubeを含む動画業界が盛り上がると言われていますが、実際にYouTube業界や動画マーケティング、YouTuberにはどのような影響があるのでしょうか。 今回の記事では、この「5G」について少し掘り下げて、特にYouTube市場にもたらす影響を中心に書いてみたいと思います。 …

①高速大容量ですが、これに伴って各携帯キャリアの通信容量が強化されれば、通信制限を気にすることなくもっと動画を普通に見る文化が広がるでしょう。
これはYouTubeにとっても追い風です。
また、「超高画質」を押しにするチャンネルが出てくるかもしれません。

②多接続、③低遅延についてですが、これらによって、LIVE配信やソーシャルゲームなどが活性化すると思われます。
例えば昨年発表され注目されていたGoogleのクラウドゲームサービス「Stadia」ですが、すでにアメリカなど14ヶ国で2019年11月からサービスが開始されています。
ただ、現状だと通信環境が追いつかず満足にプレイできる状態ではないようです。
これも5Gが普及すれば解決する可能性がありますが、日本では2020年だとまだ5Gは行き渡らないかもしれません。
ただ、こういったクラウドゲームサービスが本格普及したら、ゲーム実況のあり方も大きく変わり、
ライブ配信がより主体になり「一緒に遊ぶ」ことがもっと普通になると思われます。

【8】広告予算や勢いのある業界でYouTube活用が活発に

2020年は、企業のYouTube活用がさらに増加するでしょう。
まずYouTuberタイアップについては、特に勢いのある伸びている企業・業界の予算が力を入れてくるでしょう。

特に認知拡大・ブランディングの目的で、これまでのマス広告はまだまだ力を残しつつも、「YouTuberを起用する」という選択肢がより一般的なものになっていくと考えられます。
それは、やはり視聴者が何を見て、何に影響されるのか、というところが起点になるからです。

企業のYouTubeチャンネル運用に関しては、少しずつではありますが増えるでしょう。
昨年に、広告代理店やYouTuber事務所などの「チャンネル運用サポート」のサービスが目立って増えました。
こういったサービスにも後押しされ、YouTubeチャンネルのスタートや強化を決める企業は増えていくと考えられます。

弊社でもYouTuberタイアップ、YouTubeチャンネル運用をサポートしておりますので、是非ご相談ください。
https://kamuitracker.com/advertiser

いかがでしたでしょうか。
2020年のYouTubeは、すべてが集まるプラットフォームへと向かい、さらに活用が進んでいくと考えられます。

この流れに乗って、YouTube活用を考えてみるのもよいのではないでしょうか。

かむなびは、これからも企業やYouTuberにお役立ちする情報を配信してまいります。
2020年もよろしくお願いいたします!

動画SNS分析ツール「kamui tracker」の機能紹介 | YouTube総合情報メディア かむなび

みなさん、動画SNS分析ツール「kamui tracker」をご存知でしょうか。 YouTubeチャンネルを運用している方におすすめのツールになっています! YouTube内のトレンド把握や動画の企画やタイトル決めに役立つ機能などを兼ね備えています。 この記事では、気になるkamui trackerの機能をご紹介します! …

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