地方自治体のPR動画でバズった事例10選!成功のポイントは?

YouTube利用者の増加の影響によってPRに動画を活用する企業が増えていますが、地方自治体も例外ではありません。

ですが、どのように動画で情報を発信すれば良いのか、頭を悩ませている自治体の企画担当や広報担当の方は多いのではないでしょうか。
効果的な動画を作らなければというプレッシャーもあるでしょう。

そこで今回は地方自治体の配信したPR動画のうち、バズったものを10選ご紹介します。
企画として参考になる事例がたくさんありますので、ぜひ自治体動画を作る際のヒントにしてみてください。

地方自治体のPR動画とは

地方自治体のPR動画とは、県や市町村などの公的機関が動画を作成し、YouTubeなどで地域の魅力を発信することです。

総務省は、移住促進のための財政措置として「地域おこし協力隊の推進に要する経費」の予算に、SNSや動画制作による自治体PR活動の経費を含めています。
そのため動画を活用して地域の魅力をPRしようと考えている自治体は多いです。
(参照:総務省「令和3年度 地域創造グループ施策について」

動画に注目が集まるとSNSで拡散されたり、メディアに取り上げられたりと、自治体の知名度が向上します。自治体の知名度が上がると観光客誘致や移住者誘致、企業誘致、ふるさと納税の増加に繋げることが可能です。

中には制作費をほとんどかけずに作成した動画が拡散した例もあるので、アイデア次第では想定以上のコスパの良さを発揮するかもしれません。

バズった地方自治体のPR動画10選

様々な自治体が独自のPR動画を作成していますが、どれも自治体の個性を活かしたユニークな動画を打ち出しています。ここからは、注目を浴びた動画を10選ご紹介します。

東北6県/Retrace Your TOHOKU, Japan in 8K HDR – 東北の7つの魅力(総集編)

TOHOKU JAPANは青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県の東北6県が共同で制作しているチャンネルです。
映像がとても美しく、東北の風景や文化が紹介され、視聴回数が1,000万回を超えている動画が複数あります。
概要欄には英語表記があり、コメント欄にも外国語が多く見られることから、海外からの旅行客を誘致する目的で作られていることが分かります。

<成功のポイント>
ナレーションは入れず、BGMも控えめになっているので、視聴者は動画の美しさに集中することができます。
ターゲットを海外の旅行客にしていますが、日本人が見ても「行ってみたい」と思わずため息が出るような、観光PR動画として非常にクオリティの高い動画です。

宮城県栗原市/【おいでよ栗原】DA PUMP / U.S.A. (替え歌) → パンダライオン / I.N.K. 〜カモンベイベー栗原〜

4人組男性グループの「パンダライオン」が、DA PUMPのU.S.A.を替え歌にし宮城県栗原市をPRしている動画です。
替え歌ですが歌が上手いので聴きごたえがあり、田舎ならではのあるあるネタでくすっと笑ってしまう内容になっています。

こちらの動画も使用経費が4,000円ほどと制作費がほとんどかかっておらず、制作時間も8時間程度だったそうです。しかしコンテンツの面白さが際立っているので、色々なメディアに取り上げられ拡散に成功しました。

<成功のポイント>
替え歌の歌詞のインパクトは強く、一度聴いたら自分も歌いたくなってしまいます。
田舎出身のあるあるネタは栗原市に住んでいない人にも共感でき、誰でも楽しめる内容になっています。

こちらの動画が公開された2018年は、6月にDA PUMPのU.S.A.がリリースされ、YouTubeに公開されたU.S.A.の視聴回数は、同年11月に1億回を超えるほどの反響がありました。
旬の曲に合わせ流行に乗ることで、何度も視聴する人が増え回数が伸びたと考えられます。

長野県小諸市/小諸市PR動画第1弾 小諸がアツ・イー!本篇

長野県小諸市へのふるさと納税を呼びかけるPR動画です。
動画の出演や撮影、編集は全て企画課職員の手作りで作られており、職員の稼働を除く制作費はたった9,500円だったそうです。

平成28年度に動画が公開され、同年度のふるさと納税額は5,213万円になりました。前年度の679万円に比べて約7.6倍になるので、大きな効果があったと言えるでしょう。
(参照:ふるさと納税.tax「長野県・小諸市のふるさと納税 統計データと返礼品」

<成功のポイント>
手作り感満載の動画ですが、低予算で作られていることがアピールポイントになっています。できる限り低予算で制作し成果を上げたことは、地元からの好感度も良くなると考えられます。

福岡県北九州市/関門海峡PRムービー「 COME ON!関門!」

山口県と福岡県の間にある関門海峡をPRする動画で、視聴回数はなんと1億6,000万回を超えています。関門海峡に潜む「海峡怪獣」が突然出現し、人々がパニックになるというストーリーです。

セリフが英語になっているので海外の人にも伝わりやすく、インドやベトナムでは1,000万回を超える視聴回数を獲得しています。
(参照:PR TIMES「関門PRムービー「COME ON!関門!~海峡怪獣~」ついに動画再生回数が「1億回」を突破!!」

<成功のポイント>
海外を意識してセリフを英語で制作したことが大きなポイントです。さらに字幕を中国語版や韓国語版など、6言語展開したことで海外向けの訴求がしっかりできていると言えます。

また視聴者の興味を引くのが、日本文化の十八番でもある怪獣映画になっているところです。
怪獣の登場は、流れが複雑で早い関門海峡を認知させるためだけのシンプルな使い方ですが、インパクトを残す動画になっています。

佐賀県佐賀市/Surf Slow SAGA, Japan 4K (Ultra HD) – 佐賀市

佐賀市で毎年行われるバルーンフェスティバルの迫力ある映像から始まり、心地の良い音楽にのせて佐賀市の豊かな自然風景を紹介した動画です。海外からの観光客を誘致することが目的で制作されています。
来訪意欲の高い人に向けて、動画にも登場した地域を紹介するサイトを作り、概要欄と動画内でサイトへの誘導を促しています。

3,600万円という大規模な予算を投資しましたが、視聴回数は2,000万回を超えており、当初目標にしていた250万回を大幅に上回る数を達成しました。

<成功のポイント>
Googleによると成功した佐賀市の動画は「佐賀モデル」と呼ばれており、Googleと佐賀県が連携してターゲット設定などのマーケティング戦略を練るところから始め、きちんと戦略に沿った展開をできたことが成功の要因と考えられているようです。

マーケティング戦略の中でも一番のポイントは、プロモーションの予算を「制作費:広告配信実費:運用分析費」を「3:6:1」に配分したことでした。
佐賀市は、プロモーションの予算割合を事業に落とし込み、制作に力を入れたのはもちろんですが、広告運用にも力を入れたことが成功に繋がったようです。
(参照:Think with Google「2060 万視聴のインバウンド 広告「佐賀モデル」を発明した Google と佐賀市の戦略」

大分県別府市/100万再生で本当にやります!別府市・湯~園地計画! “1 Million Views Make it a Reality!” Beppu City Spamusement Park Project!

別府市は、世界最大の源泉湧出量を誇る日本最大の温泉地です。
この動画では、別府市最大のウリである温泉と遊園地を融合させたアミューズメント施設「湯~園地」の様子が描かれています。
Youtubeの視聴回数が100万回を達成したあかつきには、市長が実際に別府市内で「湯~園地」計画を実行するという、世界初の視聴回数連動型公約ムービーになっています。

結果、たった3日間で100万回の視聴回数を達成してしまい「湯~園地」は2017年7月29日(土)から7月31日(月)の3日間限定で実現されました。

<成功のポイント>
奇抜な構想を視聴回数100万回を達成したら実現すると公約したことが、多くの拡散につながったポイントです。
「こんなものがありますよ」という現在の状況をPRするのではなく、「こんなことがやりたいんです」という未来の希望をPRしている点が新しく、達成する過程に見ている人を自然に巻き込むようなコンテンツになっています。

宮崎県小林市/移住促進PRムービー “ンダモシタン小林”

この動画はネット上だけに止まらず、TVなどのメディアで多数取り上げられて話題になりました。
一人のフランス人男性の目線で小林市を紹介していますが、字幕が付けられているので初めて見た方はフランス語のナレーションだと思ってしまうでしょう。
しかし最後に、ナレーションはフランス語ではなく全て小林市の方言「西諸弁(にしもろべん)」だったというオチが付きます。

ちなみに動画のタイトル「ンダモシタン」は、西諸弁で「おやまあ!」と驚いた時に使う言葉なのだそうです。

<成功のポイント>
方言の不思議を逆手に取っており、オチを知ることでもう一度最初から繰り返し動画を見てみたくなる、とても上手くできたコンテンツです。

外国人の視点から見た小林市の風景や人々の魅力が、日本映画風の雰囲気で紹介されている点も小林市の魅力に合っています。

宮崎県日向市/宮崎県日向市PR動画「Net surfer becomes Real surfer」

宮崎県日向市は良好なサーフィンスポットがあるため、サーフィンを軸にした街づくり「リラックスサーフタウン」を掲げています。

動画は、ネットサーファーの青年が本物のサーファーになっていく成長物語で、半分ドキュメンタリー形式で作られています。
主人公役の道仙拓真は東京の役者ですが、2ヶ月半実際にサーフィンを練習し、99.8kgあった体重を82kgにまで落としたことも反響を呼んだようです。

この動画は各局のテレビ番組を始め、230件以上のメディアで紹介され話題になりました。

以降もシリーズ動画の制作を続け、2016年4月~2020年1月までで124世帯、計204名が県外から日向市へ移住し、空き家や空き店舗の利活用数も2019年までの目標を大幅に上回る結果になるなど、反響が大きかったようです。
(参照:PR TIMES「ネットサーファーの成長物語で話題になった、宮崎県日向市PR動画の最新作!『ヒュー!日向でHOW TO START SURFING!』を公開」

<成功のポイント>
初心者を起用することで「自分もやりたい」や「自分にもできそう」と思えるような、ショートムービー形式の動画になっていることが成功のポイントです。
実際に「日向でサーフィンをしたくなった」や「サーフィンを始めました」などのコメントが多く寄せられています。

多くの人が憧れるようなライフスタイルや時間の過ごし方を提案できている点も、動画の魅力になっています。

鹿児島県鹿児島市/維新dancin’鹿児島市 スペシャルムービー

鹿児島実業高校男子新体操部員が「西郷どん」に扮して、「西郷どんも知らない!?」をコンセプトに鹿児島市内の名所をダンスで巡っていきます。
同新体操部は、高い技術とユニークなパフォーマンスでメディアに取り上げられることも多く、とても人気があります。

動画を見て実際に鹿児島市を訪れたというコメントも見られるので、動画を見た人に与えるインパクトは大きかったようです。

<成功のポイント>
クオリティの高いダンスとコミカルな演技だけではなく、起用したのが地元の高校生だという点も視聴者が応援したくなるポイントです。

またコメント欄に多かったのは音楽に中毒性があり、何度も動画を見たくなるといった内容のものでした。キャッチーで一度聴いたら耳に残る曲は、動画を成功させたポイントの一つと言えるでしょう。

長崎県壱岐市/【大食い】めっちゃお得![長崎壱岐] ステーキ&やきにく700グラム ,生うに丼2.3キロ ,タイの干物1匹分[ふるさと納税制度]5972Kcal【木下ゆうか】

大食いYouTuberとして人気の木下ゆうかと長崎県壱岐市がコラボした動画です。
長崎県壱岐市の特産品とふるさと納税の仕組みを紹介して、特産品を実際に料理しながら美味しく食べるという内容になっています。

シンプルな内容ですが、ふるさと納税の寄付額も前年同月比の約2倍になり、動画内に登場したJAには壱岐牛についての問い合わせも殺到したそうです。
(参照:日本農業新聞「Youtuberが自治体PRに起用続々 木下ゆうかさんの動画に反響殺到」

<成功のポイント>
こちらの事例が他の動画と決定的に違うポイントは「YouTuberとコラボしてプロモーションを行なっている」点です。
YouTuberと自治体がコラボした事例は、食品や美容など他のジャンルに比べるとそう多くはありません。

しかし、影響力のあるYouTuberはチャンネル登録者数が多いだけではなく、TwitterやInstagramなどのSNS上でも影響力があるため、動画と同時にSNS上でPRしてもらうことも可能です。
さらに、YouTuberがその土地に詳しくない状況で動画を作成することがあるため、実際のお客さんに近い目線で情報を発信することができます。

YouTuberを活用した動画の事例についてはこちらの記事を見てください。

地元の魅力を効果的に伝える!YouTuberと自治体のタイアップ動画事例10選 | YouTube総合情報メディア かむなび

自分たちの街をPRして、観光客や移住者の興味を惹きつける動画を作成したいと考えている地方自治体や企業はとても多いですよね。確かにYouTube動画なら無料でアップデートして公開できるので、宣伝広告費が節約できます。 注目の自治体タイアップ動画をまとめてみました。ぜひ、動画作りの参考にしてみてください。 りなてぃんの動画より …

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まとめ

色々な自治体で、移住者を増やすためや国内外からの旅行客を増やす目的で、趣向を凝らした動画を制作しています。

お金を掛けずにアイディアで成功している例もありましたが、最近では東北6県や佐賀市のような、地域の自然や文化を紹介した動画が視聴者の心を掴む傾向にあります。
また、YouTuberとタイアップすることも動画の拡散に有効な手段の一つです。

今回ご紹介したバズった動画の事例から、どのような仕掛けをすれば視聴者の心に刺さるのか、または話題になりやすいのかなど、少しでもイメージできたのではないでしょうか。

地域の良さを伝えられる自治体PR動画の制作を、ぜひ検討してみてください。

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