YouTubeの新たな投げ銭機能「スーパーサンクス(Super Thanks)」の使い方とは?
目次
2021年7月、YouTubeに新たな投げ銭機能「スーパーサンクス(Super Thanks)」が登場しました。
テスト段階では「視聴者の拍手(Applause)」と呼ばれていましたが、スーパーサンクスに名称を変更し、日本を含む68カ国でベータ版がリリースされています。
YouTuberにとって新たな収益源になるスーパーサンクスとは、一体どのような機能なのでしょうか。
今回はスーパーチャット(Super Chat)との違いやスーパーサンクスの使い方、注意点についてご紹介します。
YouTubeのスーパーサンクス(Super Thanks)とは?
スーパーサンクスは、デスクトップおよびスマートフォン(Android / iOS )にてベータ版の提供を開始しました。視聴者はスーパーサンクスを利用することで気に入った動画に投げ銭ができ、YouTuberへ感謝の気持ちを伝えたり、応援したりできます。
YouTubeはスーパーサンクスのリリースにあたり必要な情報を得るため、一部のYouTuberと連携してベータ版のテストからフィードバックを収集してきました。
スーパーサンクスのベータ版テスト期間中、YouTubeクリエイターのNicholas Ashbaugh氏は、この機能の利用によって新たな収益源を確保し、全体収益の15%近くをスーパーサンクスが占めるほどになったそうです。
(参照:日本版YouTube公式ブログ「YouTube クリエイターの新たな収益源としてSuper Thanks を追加」)
視聴者がスーパーサンクスを購入すると、アニメーションGIF付きのカラフルなコメントが表示され、コメント欄から誰がいくら投げ銭したのかが分かるようになっています。
現在、視聴者から送ることができるコメントは「ありがとうございます!」に固定されているようです。
そしてYouTuberは、スーパーサンクスを送ってくれた視聴者からのコメントに返信することができます。
デスクトップおよびAndroidからスーパーサンクスを購入する場合は200円、500円、1,000円、5,000円までの4段階の設定金額から選び送ることができます。
<デスクトップおよびAndroid版>
iOSからは、Appleに支払う利用料が上乗せされているため250円、610円、1,220円、6,100円と購入金額が異なります。
<iOS版>
スーパーサンクスとスーパーチャットの違い
YouTubeの投げ銭機能には、スーパーサンクスの他にも「スーパーチャット(Super Chat)」があります。
スーパーチャットとは、ライブ配信などにおいて視聴者が課金することで、チャット内のコメントを目立たせられる機能です。
視聴者は、配信者に自分のことを認知してもらいたい気持ちから送っているため、ライブ配信者はコメントを読み上げたり、お礼を言ったりして視聴者の気持ちに応えます。
スーパーサンクスとスーパーチャットの違いは、投げ銭する場所が異なるところです。
スーパーチャットはYouTubeライブやプレミア公開の中で投げ銭ができ、スーパーサンクスは1つの動画に対して投げ銭ができます。
スーパーサンクスの使い方
スーパーサンクスを利用するために、配信者が行っておくべき設定と視聴者が利用する際の手順に分けてご紹介します。
配信者がスーパーサンクスを設定する方法
スーパーサンクスは、デフォルトでは機能がオフになっているので、利用したい方はオンに設定を変更する必要があります。
設定をオンにするには、以下の手順で行います。
- YouTube Studioにログインします。
- 左側のメニューで[収益化]をクリックします。
- [Supers]タブを選択し、画面の指示に沿って操作を開始します。
- すべての手順を完了すると、[Super thanks]と[オン/オフ]ボタンが[Supers]タブに表示されます。
Super Thanksを有効にします。
Super Thanksを有効にすると、既存の動画と今後制作する動画のすべてに[Thanks] ボタンが表示されます。ただし、ライブ配信やプレミア公開には表示されません。
(参照:YouTubeヘルプ「Super Thanks の有効化と管理」)
視聴者としてスーパーサンクスを送る方法
視聴者としてスーパーサンクスを送る方法は、以下の画像のように視聴画面の下、高評価ボタンや低評価ボタンと同じ並びにある「THANKS」ボタンから送ります。
視聴動画のチャンネル登録者ではなくても、誰でもスーパーサンクスを送ることが可能です。
「THANKS」ボタンを押すと、前述したように4種類の金額から選ぶ画面が表示され、金額を選択すると支払い画面へ移り、必要な内容を入力して支払います。
スーパーサンクスは1日あたり500米ドル(日本円でおよそ5万円)まで、または1週間あたり2,000米ドル(日本円でおよそ20万円)までと購入制限があります。
制限の対象はスーパーサンクスだけでなく、スーパーチャットなども含めた合計金額が対象になりますので注意しましょう。
(参照:YouTubeヘルプ「Super Thanks を購入する」)
スーパーサンクスの注意点
スーパーサンクスには利用資格があり、利用できない方もいます。利用資格のほか、利用前に確認しておきたい注意点をご紹介します。
スーパーサンクスは利用資格がある
スーパーサンクスは、全てのアカウントが利用できるわけではありません。YouTubeパートナープログラムに参加し、収益化を行っていると利用できます。
YouTubeパートナープログラムに参加できる要件は以下になります。
- すべてのYouTubeのチャンネル収益化ポリシーを遵守している。
- チャンネルに有効なコミュニティ ガイドラインの違反警告がない。
- 有効な公開動画の総再生時間が直近の12か月間で4,000時間以上である。
- チャンネル登録者数が1,000人以上である。
- リンクされているAdSenseアカウントを持っている。
(参照:YouTubeヘルプ「YouTube パートナー プログラムの概要と利用資格」)
チャンネルをまだ収益化できていない、という方はこちらの記事を参考にしてみてください。
収益化したい人向け!YouTubeの始め方を基本から解説 | YouTube総合情報メディア かむなび
現在YouTubeはただ趣味でやるものではなく、新しいビジネスや稼ぎ方として注目を集めています。 個人であれば自分の発信場所や副業として、企業であればビジネスの新しい手法としてYouTubeに目を向けている方も多いのではないのでしょうか? この記事では、これからYouTubeを始める方に向けて収益化を目指すうえで、どのようにYouTubeを始めればいいのかを解説していきます。 …
収益化の条件が揃っていてもまだ利用できない場合もあるようですが、利用できるようになるとYouTubeのダッシュボードで通知してくれるようです。
2021年内には、利用資格を満たす全てのクリエイターへスーパーサンクスが拡張される予定になっています。
また、以下の動画に関してはスーパーサンクスを利用することができません。
- 年齢制限あり
- 限定公開
- 非公開
- 子ども向け
- Content IDの申し立てが行われている動画
- YouTubeギビングの募金活動を行っている動画
- ライブ配信中またはプレミア公開中(後でアーカイブしたVODでは利用可能)
(参照:YouTubeヘルプ「Super Thanks の利用資格、利用可能な地域、ポリシー」)
クラウドファンディングや寄付のためには使えない
スーパーサンクスは、クラウドファンディングや寄付、募金などの目的では使うことができません。
YouTubeでは、募金活動を行うための「YouTubeギビング」という機能が用意されていますが、利用可能な地域は米国、英国、カナダに限られており、日本では利用不可です。
募金や寄付目的でスーパーサンクスを利用してしまうと規約違反になり、機能の利用が停止されてしまうことも考えられます。
他にもYouTube利用規約やコミュニティガイドライン、収益化ポリシーなどに違反すると利用停止になってしまいますので、改めてしっかり理解しておきましょう。
詳しくはこちら → YouTube利用規約、YouTubeコミュニティガイドライン、YouTubeのチャンネル収益化ポリシー
まとめ
YouTubeのスーパーサンクスは、今後YouTuberが得る収益の大きな柱になる可能性がある機能の一つです。チャンネル登録者ではない視聴者からも、動画を良いと判断してもらえたら課金される可能性があります。
現在は、ベータ版の提供段階ですので仕様が今後さらに変わる可能性もありますが、収益化しているチャンネルを持つ方ならスーパーサンクスを設定しておいて損はないでしょう。
ぜひ自身のチャンネルで利用可能かチェックしてみてください。