Z世代のSNSの使い方とは?
目次
今後の日本の消費市場の中心になるのが、Z世代と呼ばれる若者たちです。
マーケティング戦略を立てる際は、Z世代にどのような消費傾向があるかを知り、理解を深めることが必要になるでしょう。
消費の傾向は、生まれた世代によって異なります。生まれたのがバブル時代と不況下で消費に後ろ向きな時代とでは、お金の使い方や価値観が違うのは当然のことです。
そのためZ世代の価値観を分析し、Z世代に合ったプロモーションを展開していく必要があります。
そこで今回はZ世代を理解するために、特徴や価値観、SNSの使用状況、Z世代向けのYouTubeマーケティングの事例をご紹介します。
Z世代とは
Z世代とは、諸説ありますが概ね1996年~2015年に生まれた世代を指す、アメリカで生まれた言葉です。
世代を表す言葉は他にもあります。
1980年~1995年生まれは「ミレニアル世代」または「Y世代」、1965年頃から1980年頃に生まれた人々は「X世代」と呼ばれています。
Z世代は、生まれた時からデジタルデバイスが身近にあり、インターネットにいつでも触れることができる環境で育ってきました。
このような環境により「デジタルネイティブ世代」であることが特徴としてあげられます。
デジタルに加えて、SNSが普及し始めた時代とも重なるので「SNSネイティブ世代」や「ソーシャルネイティブ世代」とも言われます。
現在では、Z世代の動向や興味関心を知るために、SNSは必要不可欠なツールです。
Z世代の特徴と価値観
この先の10年は、Z世代が消費市場の中心になっていくため、世代の持つ特徴や価値観を知り、マーケティングに活かすことが必要です。
Z世代の特徴
Z世代はデジタルネイティブ、SNSネイティブとお伝えしましたが、生まれた時からたくさんの情報や広告にさらされて育ってきています。
そのため、大人の事情や嘘臭さを嗅ぎ分ける力が強く、広告臭が強いとすぐに離れてしまうと言われています。
たくさんの情報に囲まれて育った影響もあるせいか、1つのコンテンツに費やす時間が短いのが特徴です。
ビジュアル重視の画像や短尺動画を好み、良し悪しの判断も直感的で早く、興味がなければどんどん次のコンテンツへと移っていきます。
また、Z世代の生まれた時期には、2008年のリーマンショックによる世界的な不況の影響を受けた家庭も多く、そのため堅実な金銭感覚を持っているのも特徴です。
安定志向で貯蓄や節約への関心も高く、消費にはブランド名よりもコストパフォーマンスが良いものや実利的なものを求める傾向があります。
Z世代の価値観
Z世代はインターネットやSNSの普及によって、色々な人の多様な価値観に触れることが多く、学校でも多様性を認める教育がなされてきました。
そのため、他者を尊重すると同時に自分らしさも大切にしようとする価値観を持っています。
消費の面では、車や洋服など様々なサブスクリプションサービスが拡充し、必要な時に必要なだけ利用できる環境にあるので、購入してモノを所有したいという欲がないことも特徴的です。
しかし決して消費欲がないのではなく、Z世代は購入する時に世界観を重視しており、自分が納得したものや共感できる製品やサービスには出費を惜しみません。
TVCMや雑誌よりも、自分がフォローしているインフルエンサーの意見に影響を受けたり、参考にしたりする傾向にあります。
Z世代のSNS使用状況
代表的なSNSであるFacebook、TikTok、Twitter、Instagram、YouTubeにおける、Z世代の利用率と、SNSを使用する目的を見てみましょう。
Z世代のSNS別利用率
以下のグラフは、令和2年に総務省が行った世代別SNS別利用率の調査結果から、Z世代にあたる10代と20代を抜粋したものです。
(参照:「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(総務省)をもとに当社が独自に作成)
FacebookはZ世代の利用は少なく、TikTokも若年層のSNSと言われていますが20代では30%を切っていて主な利用者は10代です。TwitterとInstagramには、Z世代の半数を超える利用があります。
特筆すべきは、Z世代のYouTube利用率が90%を超えている点です。Z世代にとってYouTubeは、非常に大きな影響力があるSNSと言えます。
Z世代がSNSを利用する目的
Z世代はSNSを以下のような目的で利用しています。
- 暇つぶし
- 検索ツールとして
- 日々の記録として
- 同じ趣味の人と繋がるため
特にZ世代に多い傾向ですが、最近では何かを調べたい時にGoogleなどの検索エンジンではなく、SNSで検索をする人が増えています。
Instagramではリアルな友達と繋がり、Twitterでは会ったことはないが共通の趣味で繋がるなどのように、SNSを目的別に使い分けることもあります。
また1つのSNSの中で、アカウントを趣味ごとに分けて作るなど、複数のアカウントを持つユーザーも多いようです。
Z世代向けのYouTubeマーケティング事例
Z世代は、日本人口の全体で見るとボリュームが多いわけではありませんが、SNS利用人口で見ると最も多いのが特徴です。
そのためZ世代に受け入れられないと、SNSでの情報発信や拡散は難しいと言えます。
ここからは、特にZ世代に影響力が強い、YouTubeのマーケティング事例をご紹介します。
地球グミ
地球グミはTikTokで話題になり、売り切れが続出したドイツメーカーのお菓子で、正式名称は「トローリ プラネットグミ」です。独特の青色のグミで、地球儀のようなパッケージに個包装されています。
こちらの例は企業が仕掛けたというよりは、SNS上で自然と投稿する人が増えたようです。TikTokだけではなく、YouTubeにも動画を上げる人が増えました。
地球グミは、動画との相性が非常に良いのが特徴です。
日本では食品には珍しい青い色や割ると中から赤いソースが出てくるところ、食べると舌が青くなるなど、動画で映える要素があります。
パッケージを口で「パカッ」と音を立てて割る音はASMR動画との相性も良く、多くのYouTuberに取り上げられました。
動画映えしやすい商品であるという地球グミの特徴を、商品開発の参考にしてみてはいかがでしょうか。
<動画事例>
おうちでペッパーライス
コロナで店舗に行くことができない今、ステーキ専門の外食チェーン「ペッパーランチ」の「ビーフペッパーライス」を自宅で作ることが人気です。
YouTubeやInstagramを見ると、ペッパーライスを自宅で作って楽しむ人が増えています。
ホットプレートで作ればボリュームが出て見た目が良く、作る様子も撮影すると肉の焼ける音で美味しさを引き立てる演出ができるため、見ている人は食べたくなってしまい、多くの人が自宅でやってみようと思うのでしょう。
ビーフペッパーライスはアレンジレシピなどもたくさん投稿され、広く拡散しています。
<動画事例>
インフルエンサーマーケティング(YouTuberタイアップ)
Z世代は、TVCMや雑誌よりもフォローしているインフルエンサーの意見に影響を受けたり、参考にしたりする傾向にあるとお伝えしました。その傾向をプロモーションに活用した例が、YouTuberタイアップなどのインフルエンサーマーケティングです。
普段から親近感を寄せているYouTuberなど、インフルエンサーによるリアルな意見や感想はZ世代の興味を引いたり、共感を得られたりします。
YouTuberタイアップをきっかけに、商材が売れる事例は増えています。
<動画事例>
YouTuberタイアップについて、こちらの記事で紹介しています。
YouTuberタイアップとは?基礎から事例まで徹底紹介 | YouTube総合情報メディア かむなび
YouTuberを企業のプロモーションに起用するマーケティング手法が、ここ数年で顕著に伸びてきています。 今回は企業から注目されているYouTuberタイアップの基礎から流れ、業種別の事例などを紹介します。 YouTuberタイアップとは、企業とYouTuberがコラボし、YouTubeチャンネルで企業の売り出したい商材の魅力を伝えてもらうことです。 …
まとめ
生まれた時代背景や幼少期に受けた影響は、その後の価値観や消費行動を決めることになります。デジタル機器やたくさんの情報に囲まれて育ったZ世代は、これまでのマーケティング手法で消費を促すことは難しいかもしれません。
Z世代にプロモーションを行うために、SNSは欠かせない要素です。
自社の商品やサービスをZ世代に訴求するには、Z世代はどのようなものに興味を持ち、共感するのかを知り、SNSを使った発信を行う必要があります。
効果的に訴求を行うために、Z世代の価値観に合わせたマーケティング手法へ進化させていきましょう。