YouTube・YouTube Kidsが子どもの安全と健康を守るための改正を実施
目次
最近では、小学生の子どもでもスマートフォンを使いこなし、インターネットやYouTubeに触れる機会が増えています。
子ども向けのチャンネルの数も数多くあり、知育動画やおもちゃで遊ぶ動画、家族でお出かけする動画などが人気を集めています。
子どもたちがYouTubeをより正しく安全に利用できるよう、2021年9月にYouTubeとYouTube Kidsは、若年層向けの視聴や投稿に関するルール改正を行いました。
対象の年齢は、YouTube Kidsアプリのユーザー(13歳未満)とYouTubeの13~18歳未満のユーザーになります。
楽しく安全にYouTubeを使うためにも、今回改正されたルールを理解しておきましょう。
YouTube Kidsとは
YouTube Kidsは「子ども版YouTube」として、2017年にリリースされたアプリです。ここでは、YouTube Kidsの特徴などについてご紹介します。
YouTube Kidsサービスの特徴
YouTube Kidsは、前述したように13歳未満の子ども向けアプリです。ファミリー向けコンテンツのみが対象で、YouTubeと同様に無料で利用でき、広告表示が少なめです。
対象年齢を4歳以下の「未就学児向け」、5~8歳の「小学校低学年向け」、9~12歳の「小学校高学年向け」の3種類の中から設定できます。
視聴できるジャンルは「おすすめ」、「アニメ・ドラマ」、「おんがく」、「はっけん」、「ゲーム」と限られています。
これら5つのジャンルに加えて、季節やイベントなどによって表示されるジャンルの種類が増えることもあるようです。
ホーム画面に表示される機能はYouTubeに比べて少なく、動画のサムネイルが大きいのが特徴です。
視聴画面や次の動画のサムネイル、文字の表示がどれも大きく、とてもシンプルな作りになっています。
YouTubeでは動画視聴画面にある高評価ボタンや低評価ボタン、コメント欄、再生速度の調節機能などは、YouTube Kidsにはありません。
YouTube Kidsで設定できること
従来のYouTube Kidsで保護者が設定できる項目には、主に以下のものがあります。
- 自動フィルタ機能
- タイマー機能
- 動画やチャンネルのブロック機能
- 検索機能の利用のON/OFF設定機能
- 保護者用パスコード設定機能
- 保護者が許可したコンテンツのみ視聴できる機能
保護者から見て、視聴してほしくないコンテンツに触れないように管理したり、動画を見過ぎないよう注意を促したりするための機能があります。
検索機能をOFFにしたり、コンテンツをブロックする機能もYouTube Kidsならではの機能になります。
YouTube Kidsの目的は子どもの安全性と健康を守ること
様々なコンテンツの動画を視聴できることがYouTubeの良い点ではありますが、中には子どもには視聴してもらいたくないコンテンツも多く存在します。
YouTubeでも年齢で機能を制限したり、不適切とみなされる動画を除外したりと、若年層への配慮がなされてはいます。
しかし、膨大な量の動画が常に投稿され続けているYouTubeでは、不適切コンテンツ全てを除外することができません。
そのため、YouTube Kidsアプリによって子ども向けの入り口を別に作り、表示できる動画を制限し、子どもが不適切な動画を見ないようにするための配慮です。
また、視聴時間を制限する設定は、デジタル機器の使いすぎによって引き起こされる問題(例えばドライアイやネット依存など)の防止を目的としています。
子ども向け保護対策の変更ポイント
今回のルール改正で変更になった、YouTubeとYouTube Kidsの子ども向け保護対策のポイントをご紹介します。
18歳未満ユーザーのプライバシー設定
YouTubeに投稿する13~18歳未満ユーザーのプライバシーの初期設定値が、最も公開が制限される「非公開動画」になりました。
非公開動画の設定ではコンテンツを公開する際に、動画を視聴できる対象を示すリマインダーが表示され、投稿者と投稿者が指定したユーザーのみが視聴可能になります。
初期設定では非公開動画になってますが、コンテンツを公開する際に変更はできます。
この設定は若年層ユーザーがコンテンツを公開する際に、慎重な選択を行うよう促すためのものです。
加えて、オンラインに記録が残ることについてやデジタルプライバシーについて理解した上で、公開の判断を行うようサポートするためでもあります。
18歳未満ユーザーへ休憩とおやすみ時間の通知
YouTubeを利用する13~18歳未満のユーザーに対して、休憩とおやすみ時間の通知は「ON」が初期設定値になります。
必要に応じて利用をストップできる健康習慣を身に付けるための設定ですが、初期設定を変更することは可能です。
動画の視聴中に休憩を促すリマインダー機能は、視聴時間の設定を15分~180分までの5段階で設定ができます。
おやすみ時間の通知は、特定の時刻になると動画の視聴を止めて就寝を促す通知を送る機能です。
使い過ぎ防止と、睡眠に影響を与えないように就寝時間の管理に利用してもらうことが目的になります。
18歳未満ユーザーの自動動画再生の設定
YouTubeを利用する13~18歳未満のユーザーは、自動動画再生の「OFF」が初期設定値になります。ONに変更することは可能です。
YouTube Kidsでも自動再生機能を追加しますが、アプリで視聴する際の初期設定値は「OFF」になります。
保護者の判断で、自動再生設定をONに変更することはできます。
今後もYouTube Kidsアプリには、自動再生機能の初期設定値を固定できる機能など、保護者のための管理機能が追加されるとのことです。
子ども向け「有料プロモーションが含まれる」バナーの変更
YouTubeでは、子ども向けコンテンツで「有料プロモーションが含まれる」と申告した動画に掲載される、視聴画面の左上に表示されるバナーが変更になりました。
以下の画像のように、手にお金を受け取っている画像が追加され「プロモーションを含みます」というメッセージが子どもにも理解しやすいように表示されます。
有料プロモーションは、動画を制作したユーザーが企業から金銭や商品を受け取っている可能性があり、製品の購入を目的として制作されていることを示しています。
このような有料プロモーションが含まれる動画について、保護者が若年層ユーザーとどのように話し合いをすればよいのか、などのアドバイスを掲載した「保護者向け管理機能ガイド」も用意されています。
詳細はこちら → 保護者向け管理機能ガイド
また、以上のバナーはYouTube上の対応であり、YouTube Kidsでは有料プロモーションが含まれる動画は許可されていません。
YouTube Kidsの過度な商業用のコンテンツの除外
YouTube Kidsでは、過度な商業的コンテンツを除外していくことになりました。
過度に商業的コンテンツとは、YouTube Kidsのコンテンツポリシーで以下のように規定されており、これらに該当するコンテンツの掲載は許可されていません。
以下に該当すると判断されると、動画はアプリから除外されることになります。
- クリエイターまたはブランドによってアップロードされた、商品やサービスに関する従来型の広告
- 視聴者に商品の購入を直接的に促すコンテンツ
- 商品のパッケージに焦点を当てた動画
- 商品の過度な蓄積または消費に焦点を当てた動画
(参照:YouTubeヘルプ「YouTube Kids のコンテンツ ポリシー」)
まとめ
今回紹介したYouTubeとYouTube Kidsの新しいルールは、子どもの安全な動画視聴の確保やデジタル機器の使い過ぎによる健康問題を回避するためのものです。
若年層には若年層にふさわしい視聴体験をしてもらい、動画を通して視野を広げたり、学習体験を向上できたりするようにと考えてルールが作られています。
子ども向けのコンテンツは年々規制が厳しくなっており、販促を目的とした動画を投稿をする際にはより一層の注意が必要です。
これらのルールを理解した上で、動画の視聴や投稿を楽しんでください。