アプリ・Webサービス業界のYouTuberタイアップ事例と成功のポイント
目次
YouTuberタイアップとは、インフルエンサーにサービスの紹介を依頼し、認知度の向上や登録者数の増加、販売促進に貢献できるPR方法のことです。
動画からダウンロードや登録、購入を完了してもらうことができるので、YouTuberタイアップはアプリ・Webサービス業界と相性が良いのが特長です。
そこで今回は、アプリ・Webサービス業界のYouTuberタイアップを活用するメリットと事例、成功させるポイントをご紹介します。
アプリ・Webサービス業界のYouTuberタイアップ市場概況
アプリ・Webサービス業界は、今では社会インフラの1つと言っても過言ではないほど、生活になくてはならないものになっています。
2020年にフラー株式会社が行った調査によると、国内のスマホユーザー1人当たりの所持・利用アプリ数は平均で103.4個だったそうです。
コロナ禍でショッピングカテゴリが成長したこともあり、前年よりも所有するアプリの数が増えています。
(参考:FNNプライムオンライン「ウィズ・コロナの日本人が持っているスマホアプリは平均103個、実際に使うのは38個」)
しかし、App Storeでリリースされているアプリの数は500万近くあると言われており、種類や数が多すぎて利用者に知ってもらうまでが一苦労です。
そこで認知度の向上や利用者数を増やすための施策として、YouTuberタイアップを選択する企業が増えています。
以下のグラフは、アプリ・Webサービス業界で行われたYouTuberタイアップの企業数別、商品数別の実施実績です。
特に2020年から大きく伸びていることが分かります。
(kamui tracker調べ)
アプリ・Webサービス業界がYouTuberタイアップを活用するメリット
ここからは、アプリ・Webサービス業界がYouTuberタイアップを活用するメリットをご紹介します。
幅広い年齢層へリーチできる
YouTubeには10代~70代まで幅広い年齢層の視聴者がおり、各世代別に見ても利用率が高いことが特長です。
特に若年層は、テレビや新聞などのマスメディアではリーチが難しいため、YouTubeなどのSNSを活用する必要があります。
しかし最近では、60代~70代のYouTubeユーザーもかなり増えてきています。
以下のグラフは、総務省が令和2年度に調査したYouTubeを利用している人の割合です。
調査がされていないのではっきり分かりませんが、70代よりもさらに上の世代の利用者もまだまだいると考えて良いでしょう。
YouTuberタイアップの効果は若年層だけでなく、さらに上の世代へも広がる可能性が出てきています。
(参照:総務省『令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』より当社が独自に作成)
操作手順を分かりやすく伝えられる
YouTube動画では、操作画面を表示させ動かしながら説明できるので、登録方法やクーポンコードの使い方などを分かりやすく丁寧に伝えることができます。動画を見ながら一緒に登録を促すことも可能です。
さらにYouTuberタイアップなら、YouTuberがアプリ・Webサービスを利用した率直な感想を伝えたり、企業サイトなどに掲載していない利用シーンの提案ができたりします。
具体的な利用イメージが広がるので、視聴者がすぐ行動を起こしてくれることが期待できます。
有料ゲームアプリのユーザー約90%にリーチできる
アプリ・Webサービス業界の中でもゲームは、特に人気のあるジャンルです。
アプリをダウンロードできるApp StoreやPlayストアでは、ゲーム専用のカテゴリページが用意されており、需要が高いことが分かります。
以下のグラフは2019年にGoogleが行った施策で、YouTube広告を配信した際、1カ月間のゲームアプリユーザーにリーチできた割合です。
3カ国共通して有料ゲームユーザーへのリーチ率が高くなっており、ゲームユーザーはYouTubeとの親和性が高いことが分かります。
(参照:Think with Google「YouTube は有料ゲームアプリユーザーの約 90% にリーチ──日韓台の視聴動向:後編」)
さらに同じ調査でGoogleは無料ユーザーと有料ユーザーを比較した時に、有料ユーザーの視聴率が際立って高いYouTubeコンテンツを分析しました。
以下は、日本のゲームアプリユーザーが、どのようなコンテンツに興味を示したのかを調査したデータです。
(参照:Think with Google「YouTube は有料ゲームアプリユーザーの約 90% にリーチ──日韓台の視聴動向:後編」)
「ゲームプレイ、実況、攻略方法」は、ゲームに関するコンテンツなので高いのは当然と言えます。
ゲーム以外のコンテンツでは、日本の場合「アニメ、アーティスト・音楽」が多くのゲームユーザーに視聴されるジャンルになっています。
これらのデータから、日本のゲームアプリユーザーの好むジャンルが分かるので、YouTuberタイアップの企画やキャスティングの参考にしてみてください。
アプリ・Webサービス業界のYouTuberタイアップ事例
アプリ・Webサービス業界の提供するサービスは多岐にわたり、タイアップするYouTuberも様々です。
ここからはアプリ・Webサービス業界のYouTuberタイアップ事例を6つご紹介します。
Qoo10 × 河西美希
ファッションやコスメ、家電、食品などを扱う総合通販の会社「Qoo10」と、美容系動画クリエイターの「河西美希」とのタイアップ動画です。
Qoo10の年4回行われるセールイベント「メガ割」と韓国コスメ「SNP」の商品を中心に紹介する内容になっています。
コロナ禍で需要の増えたスキンケア商品やベースメイクを中心に紹介しているところが、視聴者のニーズをよく捉えています。
メガ割に向けてリサーチしている人も多いので、関心を持って最後まで視聴する人は多いようです。
Shimeji × サイボーグAD飯岡チャンネル
人気の無料キーボードアプリ「Shimeji(シメジ)」と、よしもとブロードエンタテインメント(吉本興業の子会社)所属の「サイボーグAD飯岡チャンネル」とのタイアップ動画です。
普段から辛いものを食べ、お酒を飲む動画を投稿している「食」ジャンルのYouTuberですが、ジャンル外のタイアップができないわけではありません。
注意は必要になりますが、うまくいけば普段リーチできない層にも届けることができます。
甥と姪とのLINEのやり取りにShimejiを使っている様子を撮影しています。甥と姪以外の人とのやり取りの対応に落差があるところが、視聴者が親しみを感じるポイントになっています。
楽天スーパーポイントスクリーン × くれいじーまぐねっとCrazyMagnet
広告を表示するだけでポイントが貯められるアプリ「楽天スーパーポイントスクリーン」と、女性3人組の「くれいじーまぐねっとCrazyMagnet」のタイアップ動画です。
くれいじーまぐねっとは、Z世代(概ね1996年~2015年に生まれた世代)に人気のあるYouTuberで、最近ではTV番組への露出も増えています。
普段も3人で大食い動画を投稿しており、こちらの動画も板チョコアイスを1万円分食べる企画になっています。
動画の中で、実はポイントを使ってアイスを購入していたと伝えていますが、普段から利用していることが自然に伝わるところがポイントです。
Z世代について、もっとよく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。
Z世代のSNSの使い方とは? | YouTube総合情報メディア かむなび
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ホットペッパービューティー × こばしり
美容院や美容室、ヘアサロンを探せる予約サイト「ホットペッパービューティー」と、美容系YouTuber「こばしり」のタイアップ動画です。
サイトから美容院の予約ができる様子を丁寧に解説し、実際に美容院を利用するまでの内容になっています。
ホットペッパービューティーには学生向けに、ヘアサロンやネイルなどのメニューが半額になるクーポンがあります。
そのため動画では、卒業式用のヘアスタイルの提案をするなど、学生の視聴者への訴求を行っている点がポイントです。
テクノロジア魔法学校 × Rasp berry
ディズニー・プログラミング学習教材の「テクノロジア魔法学校」と、プチプラな雑貨の購入品紹介やお部屋紹介を投稿している「Rasp berry」のタイアップ動画です。
テクノロジア魔法学校はオンライン型学習教材で、メディアアートやWebデザイン、ゲーム制作を基礎から学べます。
難しそうなイメージがあるプログラミングでも、実際に操作している様子が分かり、親しみやすいキャラクターの登場もあって視聴者の興味を引くことができています。
ディズニーだから気になっていたというコメントも見られ、この動画をきっかけに始めた人も多いようです。
Google Japan × コムドット
Googleの日本法人である「Google Japan」と、今勢いのある5人組YouTuber「コムドット」のタイアップ動画です。
Googleアプリはアカウントにログインした状態で検索を行っていると、検索した内容から興味のありそうなコンテンツを予測し、おすすめする機能があります。
その機能を使って、それぞれのメンバーの来年の趣味を決める企画になっています。
企業案件を前面に押し出していても、トークに引き込まれるので全く違和感なく楽しめる内容になっているところがポイントです。
アプリ・Webサービス業界がYouTuberタイアップを成功させるポイント
ここまでのYouTuberタイアップの事例を踏まえて、アプリ・Webサービス業界でYouTuberタイアップを成功させるポイントをご紹介します。
操作画面を表示させる
事例でご紹介したホットペッパービューティーやGoogle Japanのように、解説する時に操作画面を表示させると親切です。
操作画面があると分かりやすく伝えられるほか、以下のようなメリットもあります。
- 使用イメージが湧きやすい
- 一緒に操作しながら見ることができる
- アップデート前後の比較ができる、など
ただし、個人情報や居場所を特定できる情報などは見えないよう、充分に注意してください。
企画の立て方
YouTuberが普段投稿している動画の内容に近い、視聴者が楽しめる企画を立てることがタイアップの肝になります。
ほとんどの人は、CMのような一方的に商材を紹介される動画をわざわざ見たいとは思わないでしょう。そのため、案件動画は見る気がなくなると言う視聴者は多く、最後まで見てもらう工夫が必要です。
Google Japanのタイアップで登場したコムドットのように、普段投稿している企画と大差なく最後まで楽しめる企画にできると、視聴者にポジティブな印象を与えることができます。
YouTuberのキャスティング
YouTuberタイアップで頭を悩ませるのが誰に依頼するか選定する、キャスティングではないでしょうか。
タイアップのキャスティングは、商材と相性の良いYouTuberを探す必要があります。
商材と相性が良いとは、商材のターゲット層とYouTuberの抱えているファン層に共通する部分が多いことです。
商材とYouTuberの相性が良いと動画の視聴回数が伸び、企業イメージの向上や利用者の増加などの効果に繋げることができます。
もし相性が悪ければ動画の質は上がらず、商材の魅力も伝えられず、マイナスのPRになってしまうことがあります。
とはいえYouTuberの数は非常に多く、商材に合ったYouTuberを自力で探すのは非常に難しい作業です。
さらに、以下のことがキャスティングの際の重要なポイントになりますが、チャンネルや動画を見て分かるものではありません。
- どのようなファン層を抱えているのか?(ファンの属性)
- タイアップを依頼してどのくらいの効果が見込めるのか?
このようなキャスティングの問題を解決できるのが、日本最大級の動画SNSデータ分析ツール「kamui tracker(カムイトラッカー)」を持つエビリーです。
YouTubeに精通したスタッフが、kamui trackerの信頼できるデータを基に、YouTuber選定や企画立案から実施後の振り返りまで、ワンストップでサポートできます。
YouTuberタイアップを検討している方は、以下のリンクからお気軽にお問い合わせください!
また、YouTuberタイアップのキャスティングについてもっと知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
YouTuberタイアップにおけるキャスティングを成功させる方法 | YouTube総合情報メディア かむなび
企業や商品のプロモーションとして当たり前に使われるようになったYouTuberタイアップ。 このタイアップにおいて最初の難点となるのが、YouTuberのキャスティングです。 今回は難しいYouTuberのキャスティングをどのように行えばいいのか、キャスティングの基本から解説をしていきます。 …
まとめ
アプリ・Webサービス業界のYouTuberタイアップは、YouTuberタイアップと相性の良い業界です。
サービスと相性の良いYouTuberをキャスティングできれば、動画の視聴回数も伸び、商材の魅力も視聴者に伝わりやすくなります。
認知度向上や利用者数の増加に繋がるなど、PR効果が期待できます。
ぜひアプリ・WebサービスのPRに、YouTuberタイアップを検討してみてください。