教育業界のYouTube活用事例と成功のポイント
目次
YouTubeはエンタメや娯楽のイメージが強いかもしれませんが、多くの企業がYouTubeをPR手段の1つとして活用を進めています。
最近ではスマホが普及し、動画コンテンツを誰でも見られるようになりました。
YouTubeの国内ユーザーは6,500万人以上いると言われており、年齢層も幅広く、教育業界も商材のPRに活用することはおすすめです。
少子化社会になり、塾や習い事のターゲットである子どもが少なくなってきていますが、YouTubeなどのオンラインでPR活動を行えば全国にアピールすることができます。
そこで今回は、教育業界がYouTubeを活用するメリットと事例、成功のポイントをご紹介します。
教育業界がYouTubeを活用するメリット
教育業界でも、すでにYouTubeを活用している企業や学校法人が見られます。YouTubeを活用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
分からないところを繰り返し視聴できる
学生の間では、YouTubeの学習系動画やアプリなどのオンライン学習サービスを利用するケースが増えています。
YouTubeでも塾講師や現役大学生などが勉強を教える動画は人気です。
勉強でつまづきやすいところを重点的に、テロップやイラストを入れて解説すれば理解しやすくなります。
一度で分からなくても何度も繰り返し視聴できるので、学生は勉強の苦手を克服することができます。
また、解説内容が分かりやすいとたくさん動画を見てもらえ、YouTuberに親しみや尊敬の気持ちが生まれます。
一度動画を作れば何年も使える
一度動画を作ってしまえばPR動画にせよ、授業動画にせよ、何年にもわたって活用することができます。
教育業界は、流行に左右される要素があまり多くないので、動画で紹介している情報に変更がない限り同じ動画を使い続けることが可能です。
PR動画ならYouTubeに公開しておくと半永久的に資産として残り、その動画がほぼ自動的に長い間プロモーション装置として働き続けてくれます。
PRが若年層に届きやすい
学生をターゲットにしている業界では、PRにYouTubeを活用するのがおすすめです。
近年ではスマホの普及により、新聞やテレビなどマスメディアを利用する10代~20代が減り、YouTubeやSNSなどのオンラインサービスを利用する人が増えています。
以下のグラフは、総務省が令和2年度に調査した各SNSを利用している人の割合です。
他のSNSに比べて、YouTubeの利用率は非常に高くなっており、若年層へリーチすることができます。
(参照:総務省『令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』より当社が独自に作成)
しかし、30代~40代の利用率も90%を超えていることから、社会人向けスクールのPRなどにも活用でき、年代問わずリーチできる可能性が高いことが分かります。
教育業界のYouTube活用方法
YouTubeの主な活用方法は「チャンネル運用・YouTuberタイアップ・動画広告の運用」になります。
ここでは、教育業界がどのようにYouTubeを活用しているのか、事例を8つご紹介します。
【YouTuberタイアップ】進研ゼミ小学講座 チャレンジタッチ × Ninja Paletto忍者パレット
YouTuberタイアップとは、インフルエンサーに商材を紹介してもらうPR手法のことです。こちらの動画は、通信教育の「進研ゼミ」とキッズ系YouTuber「Ninja Palette 忍者パレット」とのタイアップです。
タブレットで予習復習がゲーム感覚でできる「チャレンジタッチ」を紹介しています。
動画では、算数とプログラミングに取り組んでいますが、短い時間で楽しくできることが分かります。
YouTuberタイアップについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
YouTuberタイアップとは?基礎から事例まで徹底紹介 | YouTube総合情報メディア かむなび
YouTuberを企業のプロモーションに起用するマーケティング手法が、ここ数年で顕著に伸びてきています。 今回は企業から注目されているYouTuberタイアップの基礎から流れ、業種別の事例などを紹介します。 YouTuberタイアップとは、企業とYouTuberがコラボし、YouTubeチャンネルで企業の売り出したい商材の魅力を伝えてもらうことです。 …
【YouTuberタイアップ】Cambly × chanchitos.jpちゃんちーとす
オンラインで世界中のネイティブ講師と英会話ができる「Cambly」と、中南米の魅力や情報を発信する「chanchitos.jpちゃんちーとす」のタイアップ動画です。
ちゃんちーとすは「りゅうや、セル、すみけん」の3人組YouTuberですが、りゅうやは大学卒業後に中南米の日本大使館での勤務経験があり、スペイン語を教える活動もしています。
りゅうやがCamblyのサービスを利用して、スペイン語が話せる英語講師にドッキリを仕掛ける内容です。
ドッキリ企画も楽しめますが、外国語で話せることの楽しさが伝わるのではないでしょうか。
【YouTuberタイアップ】滋慶学園COMグループ、BOOGEY VOXX × 福岡バーチャルぶらり旅よかとプロジェクトR
ミュージック&ダンスの専門学校を展開する「滋慶学園COMグループ」と、博多っ子Vtuber「福岡バーチャルぶらり旅よかとプロジェクトR」のタイアップ動画です。
同校は、Vtuberになりたい人向けの「バーチャルパフォーマーコース」を新設し、学校紹介をYouTuberタイアップで行いました。
「舞鶴よかと」のVtuber活動の内容やTV収録などの裏話を説明しており、これからVtuberになりたい方には参考にしたい内容になっています。
【コラボ】名工大&㈱クリーク・アンド・リバー社 × ABTVnetwork
先端テクノロジーの研究が盛んな「名古屋工業大学」と、アニメ漫談専門動画を投稿しているビデオグラファ―「ABTVnetwork」がタッグを組んだシリーズ企画動画です。
研究技術を紹介していますが、専門的で非常に難しい内容もアニメを使って分かりやすく作られています。
動画の後半では、研究が私たちの生活に今後どのように関わるかという可能性を示しており、研究が身近なものに感じられる動画になっています。
【チャンネル運用】キミノスクール
勉強が苦手な中学生向けオンライン学習塾「キミノスクール」による、勉強に関するお役立ち情報を提供するチャンネル運用の事例です。
中学生くらいだと勉強のやり方が分からない子も多く、勉強する習慣を身に付けるまでに苦労することも多いでしょう。
そのような中学生の悩みを踏まえて、こちらの動画では「自分にもできそう、頑張れそう」と思える提案をしているところがポイントです。
【チャンネル運用】てぃ先生
関東の保育園に勤める男性保育士「てぃ先生」の、子育てに関するお役立ち情報を提供しているチャンネル運用の事例です。
てぃ先生は、Twitterで保育園でのエピソードを投稿して人気が出た保育士さんです。
子どもへの声のかけ方など、保護者の悩みに寄り添ったアドバイスをYouTubeでも発信しています。
育児に悩んだ時に見ると役立つ内容で、しかも子どもがどう感じるだろうかまで分かりやすい解説がされています。
【チャンネル運用】アメリカ大使館・領事館 US Embassy Tokyo & Consulates in Japan
アメリカ大使館の留学推進ビデオプロジェクトによるチャンネル運用の事例です。
こちらの動画では、アメリカ留学の経験があるタレントの関根麻里にインタビューし、留学の魅力や経験を伝えています。
留学によって、日本と異なる文化の違いを楽しんだ様子が分かります。
【広告運用】zkaipr
映画を手がける新海誠監督による、Z会の受験生応援CMとして制作された短編アニメーション動画です。
塾のない離島でも、都会と同じレベルの勉強がZ会の通信教育なら可能になることが訴求できています。
大ヒットした映画『君の名は。』の原点にもなった作品であり、映像もきれいでストーリーに引き込まれます。
コメント欄に外国語がたくさん並んでいることから分かるように、海外からの反響も大きかったようです。
教育業界がYouTube活用を成功させるポイント
教育業界の事例を見てきましたが、これらを踏まえて成功させるポイントを2点ご紹介します。
18歳未満ユーザーへの配慮
教育業界では幼児~10代をターゲットに動画を投稿することも多いため、「YouTube Kids」や未成年向け動画の利用規約を守る必要があります。
YouTube Kidsとは13歳未満の子どもが利用するアプリのことで、「過度に商業的なコンテンツ」にあたる動画はアプリから除外されるルールになっています。
YouTube Kidsの指定する「過度に商業的なコンテンツ」とは、以下に該当する内容の動画です。
- クリエイターまたはブランドによってアップロードされた、商品やサービスに関する従来型の広告
- 視聴者に商品の購入を直接的に促すコンテンツ
- 商品のパッケージに焦点を当てた動画
- 商品の過度な蓄積または消費に焦点を当てた動画
(参照:YouTubeヘルプ「YouTube Kids のコンテンツ ポリシー」)
また、YouTubeでも未成年者や家族向けに設定した動画において、性的や暴力的など成人向けのテーマが含まれるコンテンツは削除の対象になります。
2021年第1四半期だけで、180万本以上の動画が「子どもの安全に関するポリシー」違反により削除されたようです。
(参照:日本版YouTube公式ブログ「YouTube 上でお子さまや家族を保護するための責任ある取り組みについて」)
近年では未成年者向けの動画投稿のルールが厳しくなってきているので、利用規約はよく読んで理解しておきましょう。
最近改正された若年層向けの視聴や投稿に関するルールの内容を、こちらの記事で紹介しています。
YouTube・YouTube Kidsが子どもの安全と健康を守るための改正を実施 | YouTube総合情報メディア かむなび
最近では、小学生の子どもでもスマートフォンを使いこなし、インターネットやYouTubeに触れる機会が増えています。 子ども向けのチャンネルの数も数多くあり、知育動画やおもちゃで遊ぶ動画、家族でお出かけする動画などが人気を集めています。 子どもたちがYouTubeをより正しく安全に利用できるよう、2021年9月にYouTubeとYouTube …
真面目すぎない企画を立てる
教育に関するコンテンツは、正確性や倫理的であることが重要と考えられがちですが、むしろ「親しみやすさや楽しさ」を重視すると良いでしょう。
真面目すぎる企画では、動画を最後まで見てもらうのが難しくなり、それではPRになりません。
しかしそうは言っても、企画を考えたことがない人にとって、商材にふさわしい企画や視聴者が楽しめる企画を作るのは至難の業です。
そんな困った時にはプロの力を借りてみてはいかがでしょうか。
当社エビリーでは、国内最大級の動画SNSデータ分析ツール「kamui tracker(カムイトラッカー)」を用い、豊富なデータに基づいた様々な角度から企画の提案ができます。
商材に合わせたYouTubeチャンネルの設計から企画のほか、撮影、投稿、振り返りまでワンストップで任せることが可能です。
YouTubeに関するお悩みなら何でもお任せください!
まとめ
教育業界のYouTube活用事例を中心に、活用するメリットや成功させるポイントをご紹介してきました。
YouTubeは若年層と親和性の高いプラットフォームです。
ターゲット層に興味を持ってもらうための入り口として活用でき、多くの人にリーチしやすい特徴があります。
さらに視聴者に楽しんでもらえるような動画を作ることができれば、より高いPR効果を発揮できるでしょう。
ぜひ、教育業界のPR施策にYouTubeを検討してみてください。