IPを使用した「漫画・アニメ」のYouTube活用事例
目次
漫画やアニメ界でも、YouTubeをマーケティングに活用する手法は定番化しつつあります。
大手出版社からの参入も見られますが、大手以外にも成功しているチャンネルはたくさんあります。
そこで今回は、IPを使用した漫画・アニメジャンルのYouTube市場概況やYouTubeを活用したマネタイズ方法、活用事例をご紹介します。
漫画・アニメにおけるIPとは
IPとは「Intellectual Property」を略したもので、一般的に「知的財産権」と訳されますが、漫画・アニメ業界では「著作権」のことを指す言葉です。
著作物やイラスト、デザイン、楽曲を作った人に与えられる権利を「著作権」と言い、創作者の努力や苦労に報いて利益を守るためにあります。
そのため著作権を持たない者は、許可なく著作物を使用したり販売したりすることはできません。
著作物を利用する場合は、著作物を使いたい人が著作権者に使用料を払うなどして使用許可を得る必要があります。
漫画・アニメジャンルのYouTube市場概況
YouTubeに投稿される漫画やアニメ動画には、イラスト漫画のコマに声優が声を充てたものやスライドにナレーションを入れたものなどがあります。
これらは「YouTubeアニメ」や「漫画動画」と呼ばれており、従来のアニメや漫画よりも比較的簡単に制作できるのが特徴です。
以下のグラフは、2019年〜2021年でYouTubeに投稿された漫画とアニメに関連する動画本数の推移です。
多くの人が興味関心を持っていることが分かります。
(kamui tracker調べ)
(kamui tracker調べ)
漫画・アニメ業界がYouTubeを活用したマネタイズ方法
YouTubeで投稿されている漫画やアニメは、ジャンルも豊富で制作の自由度が高く、内容がおもしろければ人気が出ます。
漫画・アニメ業界は、キャラクターやチャンネルの成長によって、マネタイズ方法には以下のように様々な可能性があります。
①物販
最近ではYouTubeから人気に火が付く事例も増えており、書籍やグッズなどの物販に繋げることができます。
②アニメ動画の制作を受注
漫画やアニメの動画制作スキルは重宝されるので、企業などからYouTube動画制作やCM制作の依頼が来ることがあります。
③チャンネル運用のコンサル
YouTubeでチャンネル運用が成功していれば、その実績を根拠に運用のノウハウや知見を伝えるなどのマネタイズをすることも可能です。
④YouTuberタイアップ
動画で使用するキャラクターと企業がタイアップし、企業の商材を紹介する方法もあります。
YouTuberタイアップについてもっと知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
YouTuberタイアップとは?基礎から事例まで徹底紹介 | YouTube総合情報メディア かむなび
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漫画・アニメチャンネルのYouTube活用事例
漫画・アニメがYouTubeを活用する事例を5つご紹介します。
個性を活かし、独自のスタイルを明確にしているチャンネルに人気があります。
【チャンネル運用】クマーバチャンネル♪
クマーバチャンネル♪は、未就学児向けの知育チャンネルです。
2019年からYouTube発のキャラクターコンテンツを制作し、チャンネルを大きく成長させてきました。
クマーバチャンネル♪を運営する「株式会社Kumarba」では、キャラクターを軸にグッズの販売だけではなく、今後はコンサートや映画などの企画も視野に入れています。
そのほかに、児童向けキャラクターを創出するビジネスやキッズ向けチャンネルの運用代行など、YouTubeで培ってきた知見を活かし様々なビジネス展開を行っています。
株式会社エビリーが、クマーバチャンネル♪の担当者にインタビューした記事がこちらです。
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【チャンネル運用】テイコウペンギン
テイコウペンギンは、ペンギンとパンダがブラック企業で働いているという設定のYouTubeアニメです。
架空の動物キャラクターが、社会の理不尽に対して言いたい一言を代弁してくれていますが、実写よりもトゲトゲしさがなくユーモアを感じます。
ブラックなネタが多いですが、普通に企業で働く人にも共感できるコンテンツが多いため人気があり、チャンネル登録者数は100万人を超えています。
YouTube発でグッズや書籍が販売されており、2022年1月からはTV放送が始まっています。
【チャンネル運用】混血のカレコレ
「混血のカレコレ」は異世界を舞台にしたストーリーを投稿しているチャンネルです。
各キャラの過去や体験談、現実社会で話題のニュース、オリジナルストーリーなど幅広いジャンルの動画を投稿しています。
学生や20代からの人気が高く、グッズ販売などを行っています。
【YouTuberタイアップ】はじめまして松尾です
「はじめまして松尾です」は、ネズミやニワトリなどのキャラクターが登場する独特な世界観が人気のアニメYouTuberです。
チャンネル登録者数は100万人を超えています。
こちらの動画には東京都の小池都知事が本人役で登場し、コロナ禍のステイホームを訴える内容です。
小池都知事が松尾のシュールなテイストに合わせたことで、視聴者に親近感を与えることに成功し「外出を控えようと思う」などのコメントを引き出すことができています。
この企画では、松尾が趣旨に賛同したため制作にかかる東京都の負担はなかったものの、双方が良い印象を多くの人に与えることができたようです。
動画を見る限り、情報を拡散する目的は十分に達成できたのではないでしょうか。
また、キャラクターを使用した日清食品のCM制作を手がけるなど、様々なマネタイズに繋がっています。
【YouTuberタイアップ】ゴウキブック
「ゴウキブック」は、独特の世界観と個性のあるオリジナルキャラクターによるアニメ動画が子供に人気のあるYouTuberです。
こちらの動画では、スマホゲームの「ヒーローズコンバット」とタイアップを行っています。
ゴウキブックもスマホゲームを作ったことがあります。
サブチャンネルでゲーム実況を行っているので、ゲームファンと相性の良いクリエイターです。
まとめ
IPを使用した漫画・アニメのYouTube活用事例をご紹介しました。
YouTubeでは、簡単に制作した動画でもおもしろければ人気が出やすく、いろいろなマネタイズに繋げることが可能です。
また、チャンネルの運営だけではなく、キャラクターと企業のYouTuberタイアップを企画することもできます。
様々なマネタイズ方法があるので、漫画やアニメをYouTubeに活用してみてはいかがでしょうか。