企業アカウント編:YouTubeでプロモーションを行う前に確認しておきたい4つのポイント 【成功事例付き】
目次
YouTubeは今やGoogleに次いで検索数世界第二のサービスとなり、たくさんの人がYouTubeでコンテンツを探す時代になりました。YouTuberの躍進だけにとどまらず、企業にとってもYouTubeを活用したプロモーションは今後も重要視されていくプロモーションになることが予想できます。
ちなみにYouTubeをつかったプロモーションというとYouTuberとコラボした動画が一般的ですが、だからといって何も考えずに安易にこの手法を取り入れるのは危険です。なぜこのパターンが人気なのかという理由や仕組みについてまでしっかりと理解しておくことが大切になります。
というわけで、今回はYouTubeをプロモーションに利用するメリットと、より多くの人に認知してもらうことが目的のプロモーションを実施する前に、確認しておきたい重要な4つのポイントについて説明していきたいと思います。
そもそもYouTubeをプロモーションで利用するメリットとは?
まずそもそもYouTubeをプロモーションに利用することは本当に効果的なのか、YouTubeをプロモーションに利用する3つのメリットについて確認しておきましょう。
1.利用者数が多くたくさんの人にアプローチすることができる。
冒頭でも説明したように、YouTubeは今や世界で2番目に多く検索されるサービスとなり、日本でのYouTubeの利用率は77%にものぼると言われています。
月に1回以上ネットにアクセスする15~59歳までの8510人を対象に、ネットアンケートで調査を実施した。対象者のうち、YouTubeを1回でも利用したことがあると回答したユーザーは77%だった。男女とも10代(15~19歳)の若年層の利用率が最も高く、男性では90%、女性では89%が利用したことがあると回答した。
YouTubeの日本の利用率は77%とGoogleが発表(2016年調査結果) / Web担当者Forumより
2.画像やテキストよりも伝えられる情報量が多い。
WEB上で行うプロモーションは基本的にテキストや画像が中心のものが多いですが、動画を利用すればより多くの情報量をPRすることが可能です。加えてYouTubeの動画はテレビCMなどのように30秒や60秒という形で尺が決まっていないので、長い時間をつかって訴求したい内容をしっかりと伝えることができます。
3.WEBサイトに動画を埋め込むことでSEOとしての効果もUPする。
YouTubeにアップした動画を商品やサービス紹介のWEBページに埋め込めば、そのページのGoogleでの評価がUPし検索順位の向上にもつながると言われています。YouTube上の動画を用意することが同時にWEBサイトの評価UPにもつながるので一石二鳥です。
ポイント1:どんな人がYouTubeを使っているのか?
YouTubeは年齢層でいうと10代の人が最も利用しているメディアになりますが、上のデータを見ると実は意外にもそれ以外の年齢層の人にも幅広く利用されているということがわかります。
YouTubeの利用率だけを比較すると、10代の若年層の利用率が高かった。一方で、オンラインユーザー、週に1回以上YouTubeを利用するYouTubeユーザーの年代別の構成比では、20~34歳、35~49歳の利用率が高く、男女ともに30%を超えていた。
YouTubeの日本の利用率は77%とGoogleが発表(2016年調査結果) / Web担当者Forumより
YouTuberが主に子供に人気のあるクリエイターとして認知されている存在のため、YouTubeは10代の人向けのメディアというように認識している人も多いかと思いますが、上のデータから、20代〜40代まで幅広い年齢層の人にアプローチできるメディアということがわかります。
ポイント2:YouTube利用者の主な使用デバイスは?
インターネットを使用する際のデバイスについてのデータも参考にする必要があります。少し前まではインターネットといえばPCが主流でしたが、今はいつでもどこにでも携帯して利用できるスマートフォンやタブレットが主流になります。よってプロモーションを考える前に、これらのデバイスが主にどのような用途で利用されているかについても把握しておく必要があります。
こちらはデバイスのネット利用時間における動画視聴シェアについてのデータになりますが、デバイスの利用時間は圧倒的にスマホの方が大きいのに対して、動画の視聴時間やシェアに関してはPCの方が大きくなっていることから、スマホは動画を視聴するデバイスとしてはあまり利用されていないことがわかります。(ちなみに動画配信サービスにはHuluやNetFlixなど様々なものがありますが、その中でも無料で知名度の高いYouTubeの利用時間のシェアが多くなっています。)
続いてこちらは動画デバイス利用時間における動画視聴・ソーシャルメディア利用シェアの割合を表したデータになります。デバイスの利用時間が多いスマホのデータを見てみると、ソーシャルメディアとインスタントメッセンジャーの割合が大きく、動画共有サービスはその4分の一という割合になっていることから、効果的にYouTubeを使ったプロモーションを行うためには、まずはSNS上や友達とのやりとりの中で話題につながるようなコンテンツを目指すことがポイントになるのがわかります。
ただし一方で、先ほどの上で紹介した「PCで動画を利用している時間の割合を表したデータ」と、こちらの「動画サービス利用者の1日あたりの平均動画使用時間のデータ」を見て見ると、PCについては動画共有サービスの割合がダントツで一番大きく特に男性10代〜20代の平均視聴時間はとても大きいため、この層については先ほどとは違う形でアプローチすることも合わせて考えていかなければなりません。
ポイント3:YouTubeは他のSNSよりもエンタメ性の強いコンテンツが求められている。
どのような人が、どういう形でスマホを使っているのかと合わせて、どのような傾向のコンテンツが人気なのかについても知っておく必要があります。コンテンツの方向性を考えるヒントとして、YouTubeの企業公式アカウントのチャンネル登録者数ランキングのデータと、同じく写真と合わせて動画コンテンツも配信しているインスタグラムのデータを参考にしてみましょう。以下YouTubeのランキングは弊社調査のデータになり、インスタグラムの方はUserLocalから引用したランキングデータになります。
【YouTubeの企業公式アカウントのチャンネル登録者数ランキングデータ ( kamui tracker 集計期間2017/12/17〜2018/1/14):】
1位:avex
2位:UNIVERSAL MUSIC JAPAN
3位:Warner Music Japan
4位:Sony Music (Japan)
5位:ディズニー公式
6位:YouTube Japan 公式チャンネル
7位:Nintendo 公式チャンネル
8位:876TV (バンダイナムコエンターテイメント)
9位:Victor Entertainment
10位:スクウェア・エニックス
11位:TOYSFACTORYJP
12位:A-Sketch MUSIC LABEL
13位:Lantis Channel
14位:Pacific League Movie
15位:タカラトミー
16位:LEVEL5ch
17位:カードキングダム
18位:pony canyon
19位:Tsuburaya Prod
20位:バンダイ公式チャンネル
【Instagramの企業公式アカウントのフォロワー数ランキングデータ:】
1位:Tasty Japan(料理動画)
2位:Nissan
3位:Honda
4位:KENZO
5位:テイストメイドジャパン(食や旅の番組)
6位:Pokémon
7位:Comme des Garcons OFFICIAL
8位:Tokyo Disney Resort 東京ディズニーリゾート
9位:UNIQLO ユニクロ
10位:A BATHING APE® OFFICIAL
11位:DELISH KITCHEN – デリッシュキッチン
12位:スターバックス公式
13位:kurashiru [クラシル]
14位:toyota usa
15位:Sony Mobile
16位:MUJI無印良品
17位:Vogue Japan
18位:JoyceChu_SYC OFFICIAL
19位:Yamaha MotoGP
20位:つくおき® (料理)
これらの両者のデータを比較してみると、YouTubeに関してはゲームや音楽そしてアニメ・映画など1位〜20位までほぼすべてエンタメのカテゴリーで占められているのに対して、インスタグラムはエンタメ以外にも料理、ファッション、メーカーなど様々なカテゴリーがランクインしています。そもそもサービスの仕組みや特徴が違うという事もありますが、YouTubeの企業アカウントのチャンネル登録数を増やしていくためには、どのメディアよりも、よりエンタメ性にとんだ内容のコンテンツを多く投稿していくことが重要ということがわかります。
ポイント4:SNS上でのバズにつながることを目標に動画を作成しよう
スマホではソーシャルメディアとインスタントメッセンジャーの利用時間の割合が大きく動画の利用時間のシェアは小さいというデータと、YouTube動画にはよりエンタメ性にとんだ内容のコンテンツが求められているという示唆を踏まえると、ポイント2でも説明したように、いかにSNS上や友達とのやりとりの中で話題にあがるか、つまりバズにつながる面白い動画を作成できるかがプロモーションの成果に左右し、動画の内容が面白ければ面白いほどチャンネル登録数のUPにもつながる可能性が高くなると予想できます。
SNS上でも話題になった再生回数の多い動画
再生回数200万回を超えたこちらの動画はコミュニケーションアプリLineのプロモーション動画で、「好きな人とのLineのやりとりを見ている時にかぎって連絡が来てすぐ既読をつけてしまう」など、女子高生のLineあるあるを紹介するコンテンツになっています。「あるある」はコンテンツの一つの方向性として人気のもので、上手くいくと多くの人に共感してもらえるためシェアされやすくなります。
こちらは自動車メーカーのTOYOTAが父の日に合わせて投稿したプロモーション動画で、2015年に公開されたものですが再生回数600万回を超える超ヒットコンテンツになっています。娘のことを思う父の姿を描いた感動系の動画コンテンツですが、タイムリーな行事やイベントをピンポイントに利用することも有効で、6月の父の日に合わせて動画を投稿したことが、より大きな反響につながった理由の一つと言えます。
YouTuberとコラボしたプロモーションも有効な方法の一つです。面白おかしく商品やサービスを紹介してくれる+SNSでの拡散効果も見込めるのでより注目されやすくなります。こちらはフィッシャーズとソフトバンクがコラボした、ソフトバンク学割キャンペーンのプロモーション動画になりますが、再生回数1800万回以上と記録的な数字をたたきだしています。音楽に合わせてダンスするだけの動画なのですが、Hikakiさんなど有名なYouTuberも多数出演していてとても豪華です。
こちらは丸亀製麺と大食いYouTuberの木下ゆうかさんがコラボしたプロモーション動画で、特大サイズのうどんや様々なトッピングをひたすら美味しそうに食べるという内容になっています。料理の感想を交えながらひたすら食べていくという流れの動画ですが、とても美味しそうにぱくぱく食べるので見ていると食欲がそそられます。
こちらは逆転オセロニアというゲームアプリのプロモーション動画で、HikakinさんとDaichiさんがオセロニアの10連ガチャをかけてヒューマンビートボックスでバトルをし、その後に一緒にゲームを楽しむという流れになっています。この事例のようにプロモーション商材のゲームとは直接関係ないビートボックスという要素を組みあわせる事でゲームにはそこまで興味がない人にも見てもらうことができます。
ちなみにYouTuberとコラボしたプロモーションを行うメリットの詳細については、こちらの記事でも詳しく紹介していますので参考にしてみてください。
YouTuberを使ったプロモーションを行う3つのメリットとは?
またYouTuberとコラボしたプロモーションのデメリットは、プロモーションを実施した後にPDCAサイクルを回すための手法がまだしっかりと確立されていないことですが、エビリーではこのデメリットを解決する「タイアップレポート」というサービスを提供しています。このサービスを利用することでYouTuberとタイアップしたプロモーション動画の効果測定を簡単にレポート化して次の施策に生かすことが可能になります。
kamui trackerは国内のYouTubeデータを独自にデータベース化しているため、手間をかけることなく1分で効果測定に必要なデータを取得することができます。視聴回数、コメント数、高評価数といったデータの他、1視聴あたりのコストなど費用対効果を出力します。費用に対してパフォーマンスの高い動画・クリエイターを判断することができるため、継続してプロモーションを発注すべきか中断・変更すべきか判断し、次のアクションへと繋げましょう。
まとめ
最後にプロモーションを行う前に確認しておきたい重要な4つのポイントについて、もう一度整理しておきます。プロモーションを成功させるためには、「どんな人が」「どのような状況で利用しているのか」という基本を、前提としてまずおさえておくことが大切です。単に流行っているからという理由で、YouTuberとコラボしたプロモーションを行なってみても成功する確率は低くなりますので、しっかりとプロモーションが機能する仕組みを理解した上で、施策を実行していくようにしましょう。
YouTubeでプロモーションを行う際に重要な4つのポイント
ポイント1:YouTubeは10代の若年層の利用率が一番高いが、それだけではなく20~34歳、35~49歳の年齢層もよく使っているサービス。
ポイント2:デバイスの利用時間はスマホの方が多いが、スマホ上では動画よりもSNSやメッセンジャーのほうがよく使われている。
ポイント3:YouTubeは他のSNSよりもエンタメ性の強いコンテンツが求められている。
ポイント4:スマホでよく使われるSNS上で注目されることを目標に、商品やサービスをただPRするだけではない面白い動画を作成することが大切。