YouTubeパートナープログラムとGoogle Preferredの、今後の方針
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以前から広告の世界において、常にプロモーターと収益の心配をしているクリエーターとの葛藤の間で作品が生まれ、それは避けられないものとして見られてきました。
しかしYouTubeパートナープログラム(YPP)がその構図を根本から変えようとしています。
また、これによりクリエーター自身が収益を上げるという道が誕生し、既存の既得権益に縛られない自由な発想でクリエーターが作品を作ることができるようになりました。
以前においてはブログにおけるGoogle AdSense(グーグルアドセンス)がこの役割を果たしてきましたが、同じムーブメントがこのYouTubeでも起きて いるのです。
具体的にYouTubeにおけるGoogle AdSenseとも言えるのがYouTubeパートナープログラムで、これに参加することでクリエイターは動画に広告を掲載することができ、動画やチャンネルから広告収入を得ることができるのです。
どうしたらYouTubeパートナープログラムに参加できるのか – 新基準の資格付与基準
では、どうしたらYouTubeパートナープログラムの一員になれるのでしょうか?
一つの基準としてはクリエーターのチャンネルのビデオの昨年総再生時間が4,000時間を超え、チャンネル登録者が1,000を超える必要があります。
加えて、去年の4月の規約を確認するとチャンネル視聴数が最低10,000ビューを達成しなくてはなりませんでしたが、最新の規約ではそうではなく、視聴時間やチャンネル登録者数が重要なファクターとなるようです。
このような規約改定の背景から YouTubeでの現金化のルートがさらに拡大していることが読み取れます。
またYPPは今年2018年の2月20日からまた新たな基準を打ち出す方針をとっており、これには30日の猶予期間が与えられるものの、この方針によって現在YouTubeで年間$100以下の利益を出しているクリエーターの99%が影響を受けると言われています。
Google推奨チャンネル(Google Preferred)になるための前提条件
YouTubeにはGoogle推奨チャンネル(Google Preferred/グーグルプリファード)というものがあり、これはGoogleから好かれているチャンネルということですが、ここに入ればGoogleからのアルゴリズムでより質の高い掲載場所やタイミングで出稿をしてもらえるなど、クリエーター活動や広告活動において同社から積極的な支援を受けることができる制度です。
ここに入る条件としてはYouTubeで 広告収益トップ1%に入るチャンネルにならなければいけません。
Logan Paul(ローガン・ポール)がYouTubeから干された事件について
しかしここにきて、上のようなYouTubeパートナープログラムやGoogle Preferredに大きな影響を与える出来事が起ころうとしています。
Googleは今年の2018年2月からはマーケターを驚愕させるような、投票を行うとしています。
具体的な内容としては、実際に視聴している人間に評価されているビデオのみを視聴可能にするというものです。
こう書くと人気YouTuberのLogan Paul(ローガン・ポール)のスキャンダルを思い付きますが、これは単なる序章に過ぎず、今後この傾向が加速していくと考えられるでしょう。
Logan Paulについて触れましたが、「知らなかった」という方のために簡単にここで説明します。
Logan Paulの事件
近年、人気YouTuberのLogan PaulのチャンネルがYouTubeから警告、罰則を受けたことがクリエーターの間で大きな話題となりました。
Google側からの罰則としてPaulからGoogle推奨の広告掲載の権利を全て剥奪し、彼が有名になったきっかけでもあるプラットフォームのYouTube Red(You Tubeの月額制サービスで高額の広告報酬が入るYouTubeのプラットフォーム)の次シーズンにおいて彼のチャンネルを載せない以降を示しました。
問題となったビデオは“suicide forest”というビデオですが、それ以外にも彼の制作するビデオはどれも非常に残虐なもので、例えば明らかに自殺者の身体にフューチャーするなど、公的モラルに反し、教育上よくないとされるものが大半でした。
今後のYou tubeの動向と対応
現在は比較的動きがないように見えるものの、この粛清の動きは3月末頃からこれによる効果が目に見えて加速し、これを実行するために10,000もの人間が不快にさせるコンテンツを静粛するために動員されると予想されています。
このような既存のクリエーターを脅かすような新基準を導入するものの、YouTube側はクリエーターにメリットとなるような制度も授ける予定です。
YouTubeは新システムを含めた、現在の自身のチャンネル状況を理解するためのいくつか新たなツールを発表しています。
これにはサードパーティーソフトを販売しているブランディング維持に役立つIntegral Ad Science (IAS)やDoubleVerifyとも提携を結ぶとし、必ずしもクリエーターにデメリットばかりがあるわけではありません。
YouTube側は「クリエーター達と一ヶ月スケジュールを調整しながら、彼らのアイデアや何を考えているかを探っていきたい」とコメントしていますが、「モラルに反した動画を削除し、良質なコンテンツを発信していく」というスタンスをより強固にしていくものとみられ、クリエーター側にそれを要求するものが今回の基準改定となるでしょう。
まとめ – クリエーターとして第二のLogan Paul(ローガン・ポール)にならないために
Logan Paul(ローガン・ポール)の事件からの教訓として、このようなビックチャンネルであってもYouTube側の提示する基準を破れば簡単にYouTubeパートナープログラムから排除されてしまうということでしょう。
今年はクリエーターにとって大きな変換期と言え、厳しい年になるかもしれません。
しかし同時に、YouTubeは何十万ドルもの収益を生み出すチャンネルは年々40%増えているというデータを出しています。
このように規制としては厳しくなってきていますが間違いなくYou Tubeチャンネルは時勢に乗り、まだまだ有望な市場としてありつづけ、クリエーターにとっても
大きなビジネスチャンスとなる場所であると言えるでしょう。