企業感のないタイアップ動画で成功に導くYouTuberとそのポイント
目次
現在も増え続ける、人気YouTuberと企業のタイアップ企画。自社の広告手段として考えている企業も多いはずです。しかし、ネット動画の視聴者は特に広告に対して敏感です。
今回は、タイアップでもタイアップらしくない企画を成功させるYouTuberをピックアップし、その事例を紹介していきます。
YouTuberはクリエイターであることを忘れない
まず、YouTuberとのタイアップ企画を考えている企業に忘れてほしくないのが、「YouTuberはクリエイターである」ということです。彼らは日々、自分の個性を活かし動画作りをしています。そしてそんな彼らの動画を面白いと感じ、チャンネル登録者という、所謂「ファン」がつくのです。
企業側が自社製品を人気YouTuberに宣伝してもらい、売上をアップさせたい気持ちを持つのは当然です。ですが、だからといって彼らのクリエイターとしてのスタンスを理解せずタイアップを企画してしまうと、失敗の可能性は高まります。
YouTuberはただの広告塔ではない、これを念頭に置くことが重要です。
タイアップ企画でも独自路線を貫くYouTuber
企業とのタイアップであっても自身のスタンスは変えないYouTuber。そういったYouTuberは、視聴者から支持されタイアップを成功に導いてくれます。今回ピックアップした3人のYouTuberを紹介します。
ワタナベマホト
チャンネル登録者数:約198万人(2018年5月現在)
1992年生まれの彼は中学生時代からYouTubeに動画投稿をしており、YouTube歴の長さで有名です。下ネタ動画の投稿が多数ですが、男女問わずさまざまな層の視聴者に人気です。
ウタエル
チャンネル登録者数:約11万人(2018年5月現在)
有名YouTuber・シバターがプロデュースする、仙台出身の元バンドマン・ウタエル。
白い仮面をしており、素顔はほとんど見せません。
他のYouTuberをネタにした曲を作ったり、替え歌などを得意としたりしています。
戯(たわむれ)ちゃん。
チャンネル登録者数:約8.5万人(2018年5月現在)
美白にこだわりぬき、美白になるためのハウツー動画が人気のYouTuber。
マスクをし、目はサングラスかモザイク処理をしているので、顔はほとんど見えません。
企業案件について、自身のブログで
実はたまに私も企業からのご依頼もあります。
ですが、
●絶対に興味のあるモノしか案件受けぬ。
●口コミに嘘はつかない。
ことをここに誓います。
と書くなど、企業案件でも自身のスタンスを徹底して貫いています。
企業側の度量が試される『ジャンプ+アプリ』
YouTuber: ワタナベマホト
提供:少年ジャンプ+
ほとんどのコンテンツをほぼ無料で読める集英社の漫画アプリ『ジャンプ+』。
その中に掲載されている漫画『剥き出しの白鳥』の主人公が露出狂であること。
そして、マホトが動画内でよく下半身を露出していることをかけたタイアップ動画。
視聴者の反応
ワタナベマホトの動画より
企業案件であるにも関わらず、下半身を露出するという意外さと、
タイアップではない他の動画と変わらないクオリティが視聴者に受けています。
成功のポイント
下ネタは企業にとってとても扱いづらいもの。しかし、敢えて下ネタを得意とするYouTuberを起用することで、企業側の懐の深さを視聴者にみせつける結果となり、視聴者からの評価が上がっています。
独特のオリジナルソングで製品をアピール『BULK HOMME』
YouTuber:ウタエル
提供:BULK HOMME
スキンケア会社のBULK HOMMEとYouTuberウタエルのタイアップ企画。他のYouTuberをネタにしながらも、上手く製品の良さをアピールしています。
視聴者の反応
ウタエル utaelの動画より
企業側とのオリエンテーションの内容を曲の中で晒すなど、「隠すことなく正直に」歌っている姿が視聴者に好評のようです。
成功のポイント
オリジナル曲で製品をアピールしながらも、彼の得意とするディスり(批判)などの切れ味はそのまま。そして、クライアント企業さえもネタにしてしまうことで、所謂「企業案件くささ」を減らしています。
このウタエルの正直な姿勢によって、広告に敏感な視聴者にも、製品への信頼感が生まれています。
自身の企業案件ルールを徹底『LIPSアプリ』
YouTuber:戯ちゃん。
提供:LIPS
LIPSはユーザーからのリアルな商品の口コミを読んで、その中からお気に入りのコスメを見つけるアプリです。
企画内容としては、このアプリを美白オタクである戯ちゃんが使用。そして、アプリ内のランキング上位に、彼女が気に入る商品はあるのか検証する動画となっています。
視聴者の反応
彼女は動画の冒頭で、自分の企業案件への信念を語っています。そのような真摯な姿を見せることで、彼女の紹介する製品への信頼感が生まれているようです。
成功のポイント
上述しましたが、彼女の企業案件への2つの絶対条件
・納得しない案件は取らない
・動画内の表現に口出しNG
これを守ることにより、視聴者、企業、そしてYouTuber自身の三方良しの結果となっています。
重要なのは「クリエイターファースト」
企業感のないタイアップ企画を成功させるために最も重要なことは、クリエイターファーストであることがお分かりいただけたでしょうか。
企画や動画表現に自由度を持たせることで、YouTuber自身が自然体でPRすることができて、視聴回数のアップやブランディングにつながります。YouTuberの個性を大切にして、タイアップ企画を成功させましょう。