YouTuberに商品プロモーションをしてもらう際のルール
目次
今では珍しくなくなった人気YouTuberと企業のタイアップ。今回は、YouTuberとタイアップして商品のプロモーションをする場合のステップと、守ったほうが良いルールなどを紹介します。初めてのタイアップを検討している企業の方は、ぜひ参考にしてください。
YouTuberとタイアップするまでのステップ
YouTuberとタイアップする場合のステップについて説明します。事務所に所属しているYouTuberと個人で活動しているYouTuberでは、ステップが異なる場合がありますので、ご留意ください。
1.YouTuberの選定
まずは社内で、自社商品をプロモーションしてほしいYouTuberを決めましょう。その際、チャンネル登録者数だけではなく、ひとつの動画あたりの平均視聴回数や平均エンゲージメント数も調べるようにします。
理由は、チャンネル登録者数が同等のYouTuberは、必ずしも全員が同じポテンシャルを持っているわけではなく、タイアップ動画になると視聴回数が伸びないYouTuberもいるためです。
そこで、各YouTuberの1動画あたりの「平均視聴回数(再生数)」や「平均エンゲージメント数」を見ておくことで、YouTuberのポテンシャルを深く知ることができます。
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2.希望のYouTuberに依頼する
タイアップを希望するYouTuberの選定が終わったら、次にそのYouTuberへの依頼を行います。YouTuberは、事務所に所属している人と個人で活動している人がいます。事務所所属の場合は、動画の説明欄やチャンネル概要欄に事務所HPのURLが載っています。
個人では本人のメールアドレスが記載されていることが多いため、そちらからタイアップ依頼の連絡をすると良いでしょう。
3.タイアップ条件の交渉
YouTuber本人、あるいは所属事務所の担当者とタイアップする際の条件について交渉します。
- プロモーションしてほしい商品
- 動画内容
- 報酬金額と支払期日
- 動画の納期と公開日
以上は、YouTuberタイアップを検討した段階で決めておくべき項目です。
個人で活動しているYouTuberの中には、企業案件への自己ルールを持つYouTuberも少なくありません。また、事務所所属のYouTuberへの依頼となると、企業対企業の案件となります。予めYouTuber本人の活動形態と、タイアップへのルールの有無はよく調べておくことをおすすめします。
条件交渉がまとまったらYouTuberは動画制作に入ります。万が一、条件が合わない場合は、他のYouTuberかYouTuber以外のインフルエンサーを探すことになります。
4.YouTuberから納品された動画のチェックと公開
YouTuberから納品された動画のチェックをします。商品名や商品スペックなどの基本的なことから、自社や商品のイメージダウンにならないか、企業倫理に反していないかなどを観ます。その際、修正を希望する箇所があったら、YouTuberに修正依頼をします。
修正が終わったら、YouTuberには事前に決めておいた公開日に動画を公開してもらいます。そして、企業側は支払期日に報酬を支払い、タイアップ終了となります。
企業が守るべきタイアップのルール
上述したように、タイアップ(企業案件)に対してYouTuber本人や事務所側がルールを制定している場合もあります。今回は、トップYouTuber「HIKAKIN」も所属する『UUUM(ウーム)株式会社』の、タイアップルールをご紹介します。
大手YouTuber事務所UUUMのルール
UUUM株式会社では、ステルスマーケティングの防止や優良誤認を防ぐため、2015年にタイアップに関してのガイドラインを策定しています。
※優良誤認とは…商品やサービスを実際以上に優れていると消費者に誤解させること。
・タイアップ時、動画内(冒頭部分)に「提供」もしくは「タイアップ」の表記を行う。
その際、クリエイター本人 あるいは チャンネルアイコンの表示、
もしくは文字での チャンネル名やクリエイター名の表示も同時に行う。・タイアップ時、動画内に広告主体者(企業もしくは商品・サービス・ブランド名)を明示する。
・表示時間は 3秒以上とする。
(提供表示をアニメーションさせる場合は完全に提供表示を認識できるときから3秒以上とする。)・文字の縦幅は最低でも画面の8分の1以上。文字色は背景色と同化しないようにする。
・動画概要欄は提供orタイアップであることを必ず一行目に明示する。
提供表示例1
提供表示例2
明文化はされていない暗黙のルール
数々のタイアップ動画がある中で、商品プロモーションの成否を左右するポイントがあります。それは、YouTuberの自由度が高いタイアップ動画になっているかどうかです。企業広告感を減らすことで、視聴者に受け入れてもらいやすいタイアップ動画が出来上がります。企業側は自社製品の良いところを前面に押し出してもらいたいかもしれません。
しかし、YouTuberがタイアップ案件だからと、その商品を褒めそやし始めたら一気に視聴者は冷めてしまうでしょう。メリットもデメリットも正直に言ってもらうことで、視聴者の信頼を得ることができ、商品プロモーションは成功に近づきます。つまり、YouTuberとタイアップする際の暗黙のルールとは『完成動画に口を出しすぎないこと』なのです。
プロモーション成功のためにもルールは必ず守りましょう
YouTuberとのタイアップで商品プロモーションを成功させるためには、まずルールの存在を知ることが大切です。YouTuberと企業側どちらも気持ちよくタイアップに臨めるようにルールを厳守しましょう。