不快を与えずユーザーを惹きつける動画マーケティングの方法

インターネットの普及とともに、web上で動画を利用した企業のマーケティング方法も多様化しました。ところが、企業の動画広告に対して不快感を持ち、ページを閉じるかブロックしてしまうユーザーも少なくありません。ここでは、最新データを元にしたユーザーの動画マーケティングに対する現状の紹介と、不快感を与えず、魅力ある情報を伝える動画マーケティング方法をご紹介します。

Web上のマーケティング方法の選択肢に動画が加わった背景

インターネット上で企業広告を掲載する方法といえば、従来は商品やサービス名のテキスト、画像やバナーでリンクする方法でした。ところが、現在はテキストや画像のリンク公告に加え、動画によるマーケティングも主流のひとつに。この変遷の背景には3つの理由があります。

YouTubeなどの動画サイトが多く誕生

すでにYouTubeを始め、国内外問わず無料で視聴できる動画サイトが多くリリースされています。テレビと異なり、自分の興味あるジャンルの動画を時と場所を選ばずに視聴でき、テレビに代わる新しいメディアとして広がっています。

フィーチャーフォンに代わるスマートフォンの普及

動画サイトが普及し始めたころ、携帯電話といえばフィーチャーフォンが主流でした。画面も小さく解像度も低いフィーチャーフォンは動画再生に不向きで、動画サイトはパソコン上で、自宅などで楽しむものでした。その後、画面やスペックもパソコンと遜色ないスマートフォンが普及し、携帯電話で動画サイトを楽しむ時代になりました。

インターネット回線や通信技術の飛躍的な向上

従来使用されていたダイヤルアップやISDN、ADSL回線から、現在は安定性や通信速度ともに高い光回線が主流になっています。インターネット環境に繋ぐ際も、有線から無線LANに変わり、公共の場でも無料で利用できるwi-fiスポットも多く設置されました。

通信速度も速く、回線も安定したインターネットが、いつでもどこでも快適に楽しめる環境が整っています。動画ダウンロードに対してもストレスを感じず、スムーズに閲覧できるため、多くの人が気軽に動画を楽しんでいます。

以上の3つの背景から、web上での動画閲覧が当たり前になりました。ユーザーからもテキストよりも分かりやすく、気軽に短時間で情報を得られる動画が好まれるように。よって、テキストや画像から、動画へwebでのマーケティング方法が変遷していったのです。

動画マーケティングで得られる3つの効果とは

動画をマーケティングで利用すると得られる具体的な3つの効果を見てみましょう。

テキストよりも視野的に効果のあるマーケティングが可能

テキストや画像の場合、マーケティング対象の商品やサービスをweb上で完全に再現することはできません。ある程度ユーザーの想像に任せることになり、実際に商品やサービスを利用したユーザーからのミスマッチが出るリスクも。

動画なら、商品やサービスの色や形、実際に使用している姿なども再現可能に。色鮮やかな画像や音なども同時に使って視覚的にも効果の高いマーケティングも展開できます。

不特定多数のユーザーを閲覧へ誘導できる

テキストや画像の場合、マーケティングの該当ページへの誘導が必要です。よって、閲覧するのはある程度マーケティング対象に興味のあるユーザーに限定されることになります。ユーザーの検索ワードや閲覧ページ履歴によって表示される「インフィード広告」も、ユーザーがクリックしないと閲覧されません。

動画ならその場で再生されるので、ページ誘導やクリックなしに不特定多数のユーザーへマーケティングが可能です。

マーケティングにかかる時間が短縮できる

マーケティング対象のページにユーザーを誘導できても、ページが下に長いなどボリュームがあると、閲覧に手間を感じます。よって、ユーザーが途中でページの閲覧を止めてしまうことも。動画なら、ページをスクロールする必要なく、かつテキストよりも短時間でマーケティングが可能。最後までユーザーが閲覧する可能性も高くなります。

データから見る動画マーケティングを取り巻くユーザーの現状とは

動画を使ったwebマーケティングは大きな効果があると分かりました。ところが、実際にマーケティング動画を閲覧するユーザーの大半は、web上の広告動画に対して不快感を覚えています。ページを閉じたり、動画を含めた広告をあらかじめブロックするツールを導入したりするユーザーも少なくありません。

ここで、株式会社ジャストシステムがセルフ型ネットリサーチ「Fastask」で実施した「動画&動画広告 月次定点調査(2018年2月度)」の結果を紹介します。実際にユーザーが、動画マーケティングに対して持っている印象を見てみましょう。

リサーチ対象は男女15歳~69歳を均等に振り分けて決定されました。2月に閲覧したYouTube、LINE、Facebook、Instagram、TwitterなどのSNS、その他のスマートフォンアプリなどのメディアが対象になっています。対象メディアを閲覧中に目に入った動画広告に対して、全体の約半数である48.3%が「見かけたが閲覧していない」と答えています。

次に、何のメディアを閲覧中に動画広告が流れて不快感を持ったかの調査結果を見てみましょう。その結果「Webサイト」を挙げた人が80.4%と最も多く、次いで77.6%の「その他のスマートフォンアプリ」、76.2%の「YouTube」でした。

Marketing Research Campより

以上の調査結果から、ユーザーが一番不快に感じるのはwebサイト上の動画広告であると分かります。さらに、20%のユーザーが不快に感じた広告をブロックしています。つまり、webサイト上で一度不快と感じると、ユーザーは「二度と見たくない」と感じる傾向にあります。加えて商品やサービスだけでなく、企業自体に悪い印象を持たれてしまうことも。さらに、スマートフォンの通信容量制限の面でも、不快に感じた動画はブロックされやすいです。

ところが、動画をブロックされていても具体的な対策を行っていない企業も少なくありません。動画がユーザーに不快感を与えていることに気が付かないためです。さらに、動画がブロックされていると把握しても、対策方法が分からない場合も。

ユーザーが動画広告を不快に感じる背景には、企業の動画プロモーションの方法が不適切である可能性が高いです。効果的な動画マーケティングには、ユーザーが不快でなく、魅力ある情報と感じる動画プロモーション展開が必須。次に、具体的な動画プロモーション方法を見てみましょう。

魅力ある情報を発信するための動画マーケティングとは

動画マーケティングの方法は、大きく分けると2つあります。ひとつが、YouTubeなどの動画サイトやTwitterやInstagramなどのSNS上で展開できる「動画広告」です。もうひとつが、企業独自で作成またはYouTuberなどとタイアップして作成された「動画プロモーション」です。

動画広告は、各サービス上であらかじめ決められた方法で動画を出せば、すぐに利用可能。マーケティングやweb、動画を出すプラットフォーム自体の知識がなくても、気軽に動画マーケティングができるメリットがあります。

ところが、その気軽さから閲覧しているユーザーと動画広告の間でミスマッチが起き、不快感を与えてしまう原因に。「動画&動画広告 月次定点調査(2018年2月度)」の結果でも、動画コンテンツの視聴前に表示される「動画広告」に対して、64.5%が特に興味を持たなかった、と答えています。

Marketing Research Campより

さらに動画サイトの場合、ユーザーが閲覧している動画と動画の合間に動画広告が挿入されます。この時ユーザーが閲覧したいのは動画サイトの次の動画であって、動画広告ではありません。一番適切ではないタイミングでユーザーに動画広告を見せることになります。

そして既定時間経過後でなければ、次の動画再生ができません。ほとんどの閲覧ユーザーは、待たされることにストレスを感じます。これらの要因が重なり、動画広告はユーザーに不快感を持たれやすいのです。

動画プロモーションは、その通り動画そのものがプロモーションになっている動画マーケティングの手法です。動画プロモーションは企業自身が作る、各種サービスと連携するなど色々な手法がありますが、特に、YouTuberとのタイアップが近年の動向からも効果的です。

「動画&動画広告 月次定点調査(2018年2月度)」では、動画コンテンツを閲覧するプラットフォームとして、全体の89.5%がYouTubeを選択。2位のTwitterの27.6%と比べ、3倍以上のユーザーから利用されています。

Marketing Research Campより

幅広い年齢層のユーザーが動画コンテンツを視聴するプラットフォームとして選ぶYouTubeで活動するYouTuberは、動画プロモーションにも最適な存在です。ユーザーの不快感を魅力に変えるYouTuberを、動画プロモーションにタイアップした時に得られるメリットを次にご紹介します。

魅力ある情報発信が可能な、YouTuberのタイアップによる動画プロモーション

YouTuberのタイアップによる動画プロモーションには、独自の特徴があるためユーザーへ魅力ある情報として発信可能に。次に、YouTuberのタイアップによる動画プロモーションで得られる効果を見てみましょう。

マーケティングではなく動画のひとつとして見せられる

YouTuberの動画は、そのYouTuberの配信する動画や、本人のファンであるユーザーが閲覧しています。動画サイトでも、すでにそのYouTuberの動画の閲覧を目的としたユーザーしか再生しません。よって、YouTuberとタイアップした動画プロモーションを広告ではなく、YouTuberの配信する動画のひとつとしてユーザーに展開できます。

スマートフォンからのマーケティングが可能

「動画&動画広告 月次定点調査(2018年2月度)」では66.2%のユーザーが動画コンテンツを視聴するデバイスにスマートフォンを選択。さらに、48.4%のユーザーがスマートフォンを横向きにして、大画面で閲覧する結果が出ています。

Marketing Research Campより

YouTubeはすでにスマートフォンで閲覧しているユーザーが多い動画サイトです。YouTuberとタイアップした動画プロモーションなら、ユーザーも時と場所を選ばず閲覧できるスマートフォンを介してマーケティングが可能です。

若年層への反響が得やすい

YouTuberは、特に若年層から高い支持を得ています。「動画&動画広告 月次定点調査(2018年2月度)」でも、YouTuberの配信も含めた「ライブ動画」の視聴率は10代の56.8%、20代の58.1%と若年層を占めています。これは、YouTubeだけでなく、ほかのweb上、テレビ番組や雑誌などでYouTuberが若年層向けメディアへの進出を果たした背景もあります。

さらにライブ動画の視聴頻度も、40代~60代では1ヶ月に1回以下がほぼ半数を占めています。若年層ほど最新のYouTuberの動向を見るためにライブ動画を閲覧している傾向に。YouTuberとタイアップした動画プロモーションは、若年層への影響も強いため話題にされやすく、市場の認知度やニーズの向上にも繋がります。

Marketing Research Campより

ジャンルによってYouTuberを選べる

YouTuberは、すでにYouTuber自身で持っている知識やスキル、経験などを反映した動画を配信しています。マーケティング対象の商品やサービスと合致したジャンルに強いYouTuberを選べば、効果的な動画プロモーションに繋がります。

また、YouTuberとタイアップすれば、YouTuber自身で動画プロモーションを考案し、動画配信を行います。すでにYouTuber側が商品やサービスに対する知識やスキルを持っていれば、企業側のニーズに応じた動画プロモーションの作成も可能です。そして、YouTuberならではの観点で、企業側からは思いつかなかった手法でのマーケティングも可能となります。

YouTube以外のSNSにも拡散しやすい

YouTuberは、YouTubeで自分の専用チャンネルを持ち、動画配信を行っています。さらにTwitterやFacebook、Instagramなどの各SNSも同時に展開していることが多いです。よって、YouTuberとタイアップした動画プロモーションは、YouTubeだけでなく他のSNSにも拡散されやすくなっています。

YouTubeだけでなくSNSにも拡散されれば、普段はYouTubeを閲覧しないユーザー層にも、動画プロモーションを広げるきっかけに繋がります。さらにSNS上で共有されやすいため、YouTuberだけでなくユーザー間でも動画プロモーションを拡散することができます。

適切なYouTuberを選んで動画マーケティングをする方法

YouTuberとタイアップした動画プロモーションは、ユーザーへ不快感を与えず、企業のマーケティングを魅力ある情報として伝えられます。ところが、YouTuberも配信する動画と共に多様化。企業側にYouTuberの知識がない場合、マーケティング対象と合致するYouTuberの選択が難しくなります。

さらに、マーケティング対象とYouTuberのミスマッチが起きると、動画プロモーションもうまくいかず、ユーザーの不快につながるリスクも。

YouTuberとのタイアップした動画プロモーションによる効果的なマーケティングには、「kamui tracker」のような動画マーケティングの支援サービスの利用が効果的です。データの分析によって、マーケティング対象とマッチした、最適なYouTuberとのタイアップも叶います。不快感を魅力に変える動画プロモーションの実現も夢ではありません。

効果的な動画プロモーションが動画マーケティング成功の鍵

Web上の動画マーケティングに対するユーザーの実際の反応、不快を与えず魅力ある情報として発信できる動画マーケティング方法をご紹介しました。最後に、ご紹介した内容の要点をまとめておきます。

  1. 無料動画サイトのリリース、スマートフォンの普及、インターネット回線や通信環境の向上により、web上のマーケティング方法はテキストや画像リンクではなく、動画が主流になった。
  2. 動画マーケティングは、視覚的な効果が高い、不特定多数のユーザーの誘導が可能、短時間でのマーケティング可能なメリットがある。
  3. 現状、web上の動画広告に対してユーザーは不快に思うことが多い。さらに、不快に思った動画広告をブロックすることも。企業へのマイナスイメージに繋がりかねないので、適切な動画マーケティング手法が必要。
  4. プラットフォーム上で簡単に広告寄稿できる動画広告は不快感を持たれやすい。YouTuberとのタイアップを始めとした動画プロモーションなら、ユーザーの不快を魅力に変えられる。
  5. YouTuberとのタイアップによる動画プロモーションなら、広告でなく動画として見せられる、SNSにも拡散しやすい、若年層からの反響が大きいなどのメリットが得られる。
  6. プロモーション対象に対して適切なYouTuberとタイアップするのが重要。YouTuberの知識がなくても利用できる、「kamui tracker」のような動画マーケティングの支援サービスの利用が効果的。

YouTuberとタイアップした効果的な動画プロモーションを作成できれば、効果的なマーケティングだけでなく、以前ブロックされてしまった不快な広告を見たユーザーに対しても、魅力ある情報として伝えられるようになります。

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