【YouTuber必見】アカBANされる仕組みと原因

YouTubeでは、利用者の拡大によって社会への影響力が大きくなるとともに、健全ではないコンテンツへの目が厳しくなってきています。

健全ではないコンテンツと判断された場合には「アカBAN」と呼ばれる措置がなされることがあり、過去には有名チャンネルがアカBANされ話題になることもありました。

YouTuberにとっては非常にダメージが大きいので、YouTubeにアカBANされないように注意する必要があります。

そこで今回は、アカBANされる仕組みとその原因、万が一アカBANされた時の対処法、アカBANされないためのチャンネル運営について紹介していきます。

アカBANとは?

アカBANとは、正確には「Account Banishment」に由来し、和訳すると「アカウントの追放」です。ルールを守っていないアカウントだとYouTubeに判断されると、アカウントの停止が起きます。

「アカウントBAN」や「BAN(バン)」、「垢(アカ)バン」などと俗に使われることが多いです。
ちなみにYouTubeの公式ページではこのような表現はしていません。ユーザー間のみで使われているネットスラングです。

アカBANの警告段階では、YouTubeに問題と判断された動画が視聴できなくなったり、利用制限のかかるペナルティを受けたりすることがあります。

アカBANで受けるダメージ

アカBANされてしまうと、それまで投稿した動画や積み上げてきた視聴回数、チャンネル登録者が全て消えてしまいます。

新たにチャンネルを立ち上げても、ライトなファンは戻ってこないことも考えられます。

再び収益化するには時間がかかり、元のように運営することは難しくなるので、YouTubeの収益がメインのYouTuberにとっては大きな痛手です。

アカBANされる仕組み

アカBANされる原因は「YouTubeのルールを破る」ことであり、YouTubeのルールとは「コミュニティガイドライン」です。
YouTubeの利用者が投稿する動画やコメントなどは、基本的にこのコミュニティガイドラインに違反していないかを基準に検査されています。

現在YouTubeには、毎分500時間もの動画がアップロードされているそうです。
それにコメントなどを合わせた膨大な量のコンテンツを、「機械による検査」と「人による検査」で二重にチェックが行われています。

違反が検出されると、YouTubeから「違反警告」がチャンネルに出され、同時にYouTubeに登録しているメールアドレスなどにも通知されます。

違反警告には以下の内容が記載されています。

  • 削除されたコンテンツ
  • 違反したポリシー
  • チャンネルへの影響
  • 対処方法

(参照元:コミュニティ ガイドラインの違反警告に関する基礎知識 – YouTube ヘルプ

アカBANされるまでの流れ

アカBANは、ある日突然何の警告もなく起こるケースと事前に警告をもらうケースがあります。それぞれのケースについて見てみましょう。

1回でアカBANになる場合

YouTubeのコミュニティガイドラインにある「悪質な嫌がらせ行為(搾取行為、スパム行為、ポルノの投稿など)」と判断された場合は、1回でアカBANになります。

よほど悪質と判断されるか、通報が多い場合などは警告なくアカBANになることもあります。

ほとんどの場合は、次で紹介するYouTubeから違反警告が送られ、警告が守られなければアカBANになるケースが多いです。

違反警告が来てアカBANになる場合

もし違反が検出されても、基本的にすぐにアカBANされるわけではありません。

アカBANまでは以下の順序で違反警告が出されます。
※( )内はペナルティです。

  1. 事前警告(特に機能の制限はされない)
  2. 1回目の違反警告(1週間の機能制限)
  3. 2回目の違反警告(2週間の機能制限)
  4. 3回目の違反警告(チャンネルの停止、削除)

事前警告は初回の違反でのみ出され、永久的にチャンネルに残り続ける警告です。
メールやYouTubeの通知で事前警告が送られ、どのコンテンツがどのコミュニティガイドラインに違反しているのかを指摘されます。

1回目の警告では、ペナルティは投稿やライブ配信などの機能が1週間使えません。ペナルティは1週間ですが、違反警告は90日間残り続けます。

2回目の警告を1回目の警告から90日以内に受けると、2週間投稿ができなくなりますが、その後何事も無ければ権限は復活します。2回目の警告も発行から90日後に期限が切れます。

3回目の違反警告を最初の警告から90日以内にもらうと、チャンネルがYouTubeから永久に削除され、この時点で問題のコンテンツを削除しても警告は解除されません。

機能制限がかかるペナルティの期間と違反警告が残る期間は一致しませんので、その点は注意しましょう。

アカBANの原因①コミュニティガイドラインの違反

前述したコミュニティガイドラインは、大きく以下の5つのテーマで分類されています。

  • スパムや欺瞞行為
  • デリケートなコンテンツ
  • 暴力的または危険なコンテンツ
  • 規制品に関するコンテンツ
  • 誤った情報のコンテンツ

このガイドラインに触れるコンテンツやコメントを投稿した場合、警告やアカBANの対象になります。
それぞれについて、具体的に解説します。

スパムや欺瞞行為

ここでは主に「視聴者をだます行為」について記述されています。

  • 虚偽のエンゲージメント(視聴回数や高評価を作為的に増やそうとする行為)
  • なりすまし(他のチャンネルや人になりすまし視聴者をだます、混乱させる行為)
  • 外部リンク(違法性の高い外部サイトへ誘導するリンクを貼る行為)
  • スパム、欺瞞行為、詐欺(視聴者をだましたりデマ情報を拡散させる行為、または同じコンテンツやコメントを大量に投稿する行為)

ここでの欺瞞行為は「動画のタグを無理矢理大量につける」、「内容に関係ないタイトル、サムネイル、説明で視聴者を釣る」といった行為なども対象です。

また「Sub4Sub動画」と呼ばれる、いわゆる「相互フォロー」でチャンネル登録者数を増やそうとする動画や、金銭の享受などをほのめかす動画なども禁止されています。

デリケートなコンテンツ

ここでは主に「視聴者に不快な思いをさせる可能性が高いコンテンツ」について記述されています。

  • 子どもの安全(児童ポルノや子供に危険な行為をけしかけるもの、または成人向けのコンテンツを子供向けのように偽る行為)
  • サムネイル(性的なものやグロテスクな画像など、視聴者に不快な思いをさせる可能性の高い画像をサムネイルに設定すること)
  • ヌードや性的なコンテンツ(教育や芸術の目的の範囲外である、性的満足を目的としたヌードなどの表現)
  • 自殺や自傷行為(他者に自殺や自傷行為をけしかけるような行為)
  • 下品な表現(露骨な性的表現や冒とく的表現、暴言、暴力)

このテーマで指摘されるコンテンツには児童ポルノなど違法性が高いものも多く、そういったコンテンツの投稿は一度でアカBANになります。

一方でこのテーマに触れるコンテンツであっても「メンタルヘルスへの理解を深めるために自傷経験を話す」、「正しい性知識を広めるための教育的コンテンツ」など、しっかりとした文脈がある場合は違反の対象になりません。

しかし、その判断は非常に曖昧なものであり、投稿者の意図がYouTube側に伝わらない場合も多く、投稿には非常に慎重になる必要があります。

暴力的または危険なコンテンツ

ここでは主に「他者に危害を及ぼす行為や、そのような行為をメインコンテンツとした動画」について記述されています。

  • 嫌がらせやネットいじめ(他者を侮辱するコメントや動画、個人情報の暴露や個人を晒しあげるような行為)
  • 有害で危険なコンテンツ(命の危険が伴うチャレンジ動画や違法行為のやり方を教えるような動画)
  • ヘイトスピーチ(人種や国籍、宗教や身分に基づき他者を差別するようなコメント、または差別を扇動する動画)
  • 暴力犯罪組織(犯罪組織やテロ組織が作成した動画、またはそのような組織を宣伝したり加入を促したりする動画)
  • 暴力的で生々しいコンテンツ(暴力的または残虐なシーンのある動画やグロテスクで直接的な描写のある動画)

特に日本では近年「ネットいじめ」と呼ばれる、匿名性を武器にネット上で他人を誹謗中傷するような行為が問題になっています。
YouTube上でこのような行為はアカBANの対象です。

また、YouTubeのコンテンツには「一般の人がやらないことにチャレンジする」ものが定番の一つにありますが、このチャレンジが危険な場合は規制の対象になります。

規制品に関するコンテンツ

ここでは主に「法律などによって規制されているものをメインコンテンツとする動画」について記述されています。

  • 銃火器(銃器を販売したり、取り扱ったりしている動画)
  • 違法または規制対象の商品の販売(規制対象の商品やサービスの利用を促進したり、アクセスを容易にしたりする動画)

規制対象の商品やサービスには「アルコール」、「タバコ」などの未成年の利用が禁じられているものや「オンラインギャンブル」、「デートクラブ」などのサービスが含まれます。

誤った情報のコンテンツ

ここでは主に「誤解を招くまたは虚偽が含まれているものをメインコンテンツとした動画」について記述されています。

  • 選挙の誤った情報(投票を妨害するものや民主的な手続きへの妨害を扇動する動画)
  • COVID-19(新型コロナウイルス感染症)・ワクチンの医学的に誤った情報 (WHOなどが提供する医学情報と矛盾する動画)
  • 誤った情報(有害な治療薬または治療法の宣伝、改ざんされた情報などの動画)

選挙に関して誤った情報を発信する行為は、規約違反になります。
投票の妨害を呼びかける内容や選挙結果が不正行為によって作られたものだとする主張などが違反に該当します。

また現在、世界で大きな問題となっているコロナウイルスやワクチンに関して、WHOなどの公的機関のガイダンスと矛盾するような誤った情報も許可されていません。
誤った情報がYouTubeで拡散されてしまうと、大きな範囲で混乱を生じさせてしまうためです。

一方でコロナウイルスへの対処として世界的に認められているものを推奨する動画や、正しい医学的知見を元に意見を述べる動画は認められるケースもあります。

3つ目の「誤った情報」に関するコンテンツについて、次で詳しくご紹介します。

YMYLに関するコンテンツが今後は厳しくなる可能性も

現在、コミュニティガイドラインにはっきりとは掲載されていませんが、今後「YMYL」に関して誤った情報に対する規約が厳しくなると言われています。

YMYLとは「Your Money or Your Life」の略語で、直訳は「あなたのお金や人生」ですが、具体的には「人の将来や経済、健康に影響を与える可能性のあるコンテンツ」を指します。

人生に影響を与える可能性のあるコンテンツに、デタラメや根拠のない情報が含まれていると、それを見た人が損害を受けるなどの不利益をこうむるかもしれません。

特に以下のようなジャンルのコンテンツの発信は、見た人に与える影響が大きいため、誤った情報が拡散されることがないよう、今後は厳しくなる可能性があります。

  • ショッピングや金融取引に関する情報(オンライン決済など)
  • 財務情報(税金やローン、保険、投資など)
  • 医療情報(薬、病院、予防方法など)
  • 法律情報(離婚、遺言、親権など)
  • 公的な情報(行政や公的機関のサービスなど)
  • 人生のイベントの情報(受験、就職など)

アカBANの原因②著作権侵害

アカBANとなってしまうもう1つの原因として「著作権を侵害したコンテンツ」が挙げられます。
YouTubeでは以下のものを著作権の対象としています。

  • 音声と映像の作品(テレビ番組、映画、オンライン動画など)
  • サウンド レコーディングおよび楽曲
  • 執筆された作品(講義集、記事、書籍、楽譜など)
  • 視覚的作品(絵画、ポスター、広告など)
  • ビデオゲーム、コンピュータ ソフトウェア
  • 演劇作品(劇、ミュージカルなど)

(参照:YouTubeヘルプセンター 著作権とは

著作権侵害の違反には大きく2つあります。

  • Content IDによる申し立て
  • 他の利用者からの通報

それぞれについて解説していきます。

Content IDによる申し立て

「Content ID」とは、著作権者が自分の制作物をデータベースに登録することで、YouTubeにアップロードされる動画に著作物が用いられてないか自動で検査できる機能です。

アップロードした動画はContent IDのデータベースによってスキャンされ、もし一致するものがあると「Content IDによる申し立て」が行われます。

この申し立てが行われると動画の音声が無効になるなどの制限がかかりますが、直接的にアカBANの原因になることはありません。

しかし著作権を侵害している可能性は高いため、同様のコンテンツの投稿を続けると著作者に通報されてしまう可能性はあります。

他の利用者からの通報

他の利用者があなたの投稿した動画に対し、YouTubeが定める正式な「著作権侵害による削除依頼」を出した場合、動画が削除されると同時に違反警告が出されます。

この違反警告は、コミュニティガイドラインのものと同様で、90日間に3度の警告が出されるとアカBANの対象となってしまいます。

誤BANの可能性もある

「誤BAN」とは、本来アカBANされる対象ではないのに、機会判定が誤ってアカBANしてしまうことです。

前述したように、YouTube上のコンテンツ検査に機械が用いられていますが、ある程度パターン化された違反を素早く検出できる一方で、パターン以外の違反が漏れたり、検出ミスが起こることがあります。

また、著作権に関するルールも人によって解釈が違うことがあり、ルールを守ってるつもりでも通報されアカBANになってしまうケースもあります。

前述のアカBANされる原因に心当たりが無ければ、誤BANの可能性もあるので、次で紹介する「再審査請求」で対処しましょう。

アカBANされたときは再審査請求で対処

こちらに落ち度がないと思われる場合には、YouTubeに申し立てを行えます。その際には以下のサイトから必要事項を記入して、申し立てを行いましょう。

再審査請求の申し立てを行う場合はこちら → Google サービスにアクセスできない

申し立てが受理されなければ、削除された動画が元に戻ることはありませんので、誤BANの疑いがある場合は必ず行ってください。

(引用元:Googleアカウントヘルプ ヘルプセンター

【必要記入事項】

  1. お客様の氏名
  2. YouTubeチャンネルのログインに使用するメールアドレス
  3. Googleからの連絡に使用できるメールアドレス
  4. 停止されたYouTubeチャンネルのURL
  5. チャンネルが誤って停止されたと思われる理由を簡潔にお知らせください。(1,000文字以内)

2は停止を受けたチャンネルにログインするためのアドレスです。3はYouTubeからの返答を受けたいメールアドレスを入力しますが、2と同じものでも構いません。

4は「https://www.youtube.com/channel」で始まるチャンネルのURLですが、停止されたらすぐに確認できないこともあります。どこかに保存してあればすぐに入力できるので、分かりやすいところに保存しておくと良いでしょう。

5の誤って停止された理由には、違反行為をしていないことや契約書などの証拠があればその用意があることなどを丁寧に記載しましょう。送信ボタンを押す前に、記載内容をコピーして保存しておくこともおすすめです。
ケースバイケースですが、早い人だと1時間ほどで返答がある場合や1週間から10日ほどかかる場合があります。

一つ注意しなければいけないのは、違反と指摘された動画をYouTubeから削除しないことです。動画を削除してしまうとYouTube側で再審査ができなくなってしまうので、警告を取り消してもらえなくなります。

アカBANされないための対策

絶対に安全という方法は存在しませんが、普段から注意しておくことはできます。
アカBANされにくいチャンネルの運営方法について確認していきましょう。

健全なチャンネル運営をする

健全なチャンネル運営をしていれば、アカBANされるのを神経質に心配する必要はありません。

著作権は細かくチェックする必要がありますが、コミュニティガイドラインで定められているものは、一般的な人の感覚で嫌悪感を覚えるものや不快に思うものばかりです。

誰でも安心して見れる動画作りを心がけていれば、アカBANされるリスクは少ないでしょう。

YouTubeとGoogleの利用規約は読んでおく

YouTubeのコミュニティガイドラインやGoogle広告ポリシーをよく読み、どのような動画やチャンネル運営がNGになるのか事前に把握しておきましょう。

なぜGoogleの広告ポリシーを読む必要があるのかというと、YouTubeはGoogleの傘下にあるサービスで、Googleの広告ポリシーの影響を大きく受けるからです。

利用規約等は更新されることがあり、その都度通知が来ますので、受け取ったら必ず目を通してください。

YouTubeコミュニティガイドラインはこちら → YouTube のコミュニティ ガイドライン – YouTube ヘルプ

Google広告ポリシーはこちら → Google 広告のポリシー – Google 広告ポリシー ヘルプ

YouTubeのアカBANまとめ

YouTubeでは近年、より健全で安全なコンテンツ作りが求められています。
健全に運営していても警告を絶対に受けないとは言い切れませんので、警告を受けてしまった場合は、真摯に問題を解決していくしかありません。

アカBANは頻発する問題ではありませんが、YouTubeやGoogleのルールを正しく理解し健全なチャンネル運営に役立ててください。

動画SNSデータ分析ツール
「kamui tracker」

YouTubeデータを網羅し企業やクリエイターの活動をサポートする国内最大級の「YouTubeに特化」したデータ分析ツールです。

試用版を使ってみる

データと専門的な知見に基づいた
YouTuberキャスティング

貴社の商品・サービスに合ったYouTuberの選定から、企画の立案、実施後の振り返りまでをワンストップで行ないます。

相談してみる

このカテゴリの最新WHAT'S NEW