【セミナー開催報告】『今すぐ活かせる』インフルエンサーマーケティングの「成功と失敗」

6月19日に株式会社エビリーは、CA Young Lab社、サイバーエージェント社、GROVE社と共同で、

『今すぐ活かせる』インフルエンサーマーケティングの「成功と失敗」

というセミナーを開催いたしました。

このセミナーの開催報告とともに、セミナー内で語られた「インフルエンサーマーケティングを成功に導くうえでのヒント」をお伝えしていきたいと思います。

 

イベントの概要

本イベントは、アプリ業界のマーケティング・プロモーション担当者に向け、インフルエンサーマーケティングのリアルな実情を、異なる立場の専門家がトークセッション形式で語るというものです。

インフルエンサーマーケティングは急速に伸びている領域ですが、それだけにまだ情報や知見が不足していて、検討はしていても意思決定に踏み切れない、または実施していても課題を抱えている企業も多いと思います。

そのような企業に向け、インフルエンサーマーケティングの豊富な実績を持つ企業がリアルな本音を語りました。

 

登壇者

本セミナーは、以下の4名の登壇者によるトークセッションがメインとなりました。

▶ CA Young Lab 取締役COOで若年層向けプロモーションを実施する萱嶋氏
▶ サイバーエージェント 宣伝本部でAbemaTVのプロモーションを担当する梅宮氏
▶ GROVE 代表取締役CEOでインフルエンサーのプロデュースを行なう北島氏
▶ エビリー セールスマネージャーでkamui trackerのセールスを担当する大谷

 

本セミナーの特徴

本セミナーは、インフルエンサーマーケティングに関わる、4つの異なる立場の企業が登壇したという点で特徴的でした。

・プロモーション案件を発注する「広告主」
・案件を受けプロモーションの企画を進める「代理店」
・インフルエンサーを抱えキャスティングを行なう「事務所」
・これら三者へデータを提供し成果に貢献する「分析ツールベンダー」

このような登壇者が実際の経験を元にインフルエンサーマーケティングを語ったので、一面的ではないリアルな実情を多く聞くことができました。

 

また、もうひとつの特徴として、専用の質問ウェブサイトを導入したことがあります。これは、セミナーを受けながら専用のウェブサイトで簡単に質問を送ったり、他の人の質問に「いいね」を押したりすることができるものです。

せっかくセミナーに来たからには、自社で抱える課題について質問して解決したいもの。でもなかなかセミナーの途中で質問することって難しいですよね。そんな質問を手元から送って共有できる仕組みを導入したことは、参加者からもご好評をいただきました。その結果、全ての人の質問に答えることができました。

 

オープニングトーク:市場動向

トークセッションに先立って、まずは全体的な市場の動向が、エビリー社のkamui trackerのデータも用いられ解説されました。
これによると、2016年から2017年の推移で見ると、ゲーム系・非ゲーム系アプリともにYouTuberタイアップ動画は大きく増加しているとのこと。

ゲーム系では、1年に1-2本ほど大型タイトルと呼ばれるタイトルが現れますが、2018年でいうと荒野行動がダントツのトップであり、5月までの5ヶ月間で400本近いタイアップ動画を実施していました。またゲーム系のタイアップ動画を手がけるクリエイターを見ていくと、特定のクリエイターに人気が集中する傾向があります。

非ゲーム系では、ECサイトアプリのBanggoodが最もタイアップ動画数の多いアプリとなりました。成長速度ではゲーム系を上回るペースとなっています。

 

インフルエンサーマーケティング成功の3つのポイント

オープニングトークが終わり、ここからトークセッションスタートです。

参加者からの質問も多く出たため、本当に多岐にわたる話題に触れられましたが、ここでは全部はお伝えしきれないので、私の観点で、「インフルエンサーマーケティング成功の3つのポイント」ということで3点に絞ってお伝えしたいと思います。

 

1. どんな商品を、どんなターゲットに、どんな動画で見せたらいいのか?

ここがやはりみなさん興味のあるポイントなのではないかと思います。ただ、一般的に言われていることと、実際にインフルエンサーマーケティングを経験から言えることとの間には、相違もあるようでした。

例えば動画の作り方などはどうでしょう。

「広告っぽくならないように、なるべくYouTuberのいつものノリに合わせた動画を作ったほうがいい」

そんな話を聞いたことのある方もいるのではないでしょうか。

ただ、これに対しては否定的な見解が。

少なくとも非ゲームのアプリにおいては、YouTuberのいつものノリに合わせて動画を作ってしまうと、再生数は伸びるもののダウンロード数はかなり厳しい結果になるとのこと。逆にアプリの使い方を動画内できちんと説明してもらうことで、ダウンロード数は良い結果が出やすいようです。

AbemaTVの梅宮氏は、kamui trackerのデータも紹介しながら実際のタイアップの結果などを見せてくださいましたが、タイアップ動画の内容によって、数十倍〜100倍規模の結果の大きな違いにつながるとのことでした。

こういう部分は、やはり実際に何度もインフルエンサープロモーションを実施して、成功も失敗も味わっているからこそできるお話なのかなと感じます。

また、もちろんですが、アプリのプロモーション方法はインフルエンサー活用だけではありません。この部分に関して登壇者が本音で語ってくれたのも印象的でした。

インフルエンサーマーケティングのセミナーだからそれありきで語るのではなく、数多くあるプロモーション手法のひとつとして位置づけ、それをどう活かすか、という視点があり、参加者としても入り込みやすい空気感がありました。

 

ではその中で、インフルエンサーマーケティングはどういう領域で活かせばいいのか?

よく言われる「若年層への訴求が強い」という話ももちろん出ていましたが、もうひとつ大きな点が語られていました。

それは、「使い方が難しめのサービスに強い」という点です。これは先ほどお伝えした「動画内できちんと使い方を説明する」ということとセットにはなりますが、このようなプロモーションを実施した際に、複数名のYouTuberとのタイアップ連動施策で、2週間で数十万ダウンロードを獲得するなど、テレビCMより低予算かつ高い効果を得られた事例も出てきました

このような結果が出た理由は、インフルエンサープロモーションの強みとして、「コミュニケーションの深さ」があるからだ、ということが語られていました。テレビCMでは時間も短く、使い方を細かく説明するのには無理があります。しかしYouTube動画であれば詳しく説明する時間もありますし、テレビに出ている芸能人より身近な存在であるYouTuberがそれを話しているとなれば、説明の部分までしっかり見てくれる。そういうコミュニケーションの深さが、インフルエンサープロモーションの強さなのです。

 

2. インフルエンサーは人である

インフルエンサーは今や「メディア」のひとつと位置づけられ始めていますが、既存のメディアとは性質が異なるようです。そこをきちんと認識して活用していかなければタイアップはうまくいかない。そんな内容が語られました。

登壇者がみな同意したこととして、

「インフルエンサーは人である」

ということが挙げられます。

例えばYouTuberに関して言えば、ややもすれば登録者数や再生回数で判断されがちな風潮がありますが、「数字だけで見てはだめ」ということが強く語られていました。

その中で出ていた話のひとつは、YouTuberのスケジュール面です。
例えばYouTuberにとっては子どもたちが夏休みで動画を多く視聴する夏が一番大事です。そこに向けて一年間のスケジュールを立てたりするのですが、そのYouTuberが、夏に向けてこれから先どれくらいのイベントを計画しているのか、というところまで見越した上でのキャスティングが必要であるとのこと。それがわかっていないと、広告主の求めるプロモーションとYouTuberの間に齟齬が生じてしまいます。

また、「そのYouTuberが本当に商品のことを好きか?」というのも非常に大切な面として語られていました。本当にその商品自体に興味があり、好きかどうかという部分が、顕著に動画のクオリティーに出てきます。だからその部分はいつも事前に確認するようにしているとのことでした。

このような、「インフルエンサーマーケティングの特殊性」を理解したうえで活用していく必要がある、ということを再認識した方も多かったと思います。

 

3. 効果検証はどうすべきなのか?

インフルエンサー活用を検討、または実施している多くの企業が直面するのが、この「効果検証をどうするのか」という問題です。
他のプロモーション施策と同様、インフルエンサーを活用したプロモーションにおいても、その施策でどのくらいの効果があり、次回施策をどのように意思決定していくのかということは、もちろん重要となります。

例えばYouTuberを起用したタイアップ動画においては、その動画の概要欄に貼ってあるURLからどのくらいのアプリダウンロードがあったのか、ということがひとつの指標となります。しかし実際には、そのURLからのダウンロードだけがタイアップ動画の効果ではなく、そのタイアップ動画をきっかけにアプリに興味を持ち、自分で検索してダウンロードする自然流入の方が圧倒的に多いのです。今回のセミナーでも、URL経由と自然流入の割合は、「2:8から1:9」という話が出ていました。

これについては、「正直その部分には課題がある」という話も聞かれました。動画のリーチに関しては、再生回数や視聴者のデータなどから割り出せるものの、やはりダウンロードなどの獲得数については、正確な数値が出ないという課題を抱えているようでした。

ただ、もちろん手をこまねいているわけではなく、各社とも対策に乗り出しています。CA Young Labではその解決のためのプロダクトを開発していたり、AbemaTVでは詳細な流入経路整理と計測可能な数値の可視化と基準値・ルールの設定により、タイアップ動画経由の獲得数をできるだけ正確に割り出せるようにしているとのこと

この課題の克服が、今後のインフルエンサーマーケティング全体の進化にとって重要な役割を果たすことは間違いありません。

 

参加者の声

上記の3つのポイントはいかがでしたでしょうか。

今回のセミナーの内容から3つをピックアップしてみましたが、セミナーはこれで終わりではありません。
このあと懇親会も開かれ、登壇者と参加者での交流がなされました。

私も懇親会で参加者の方々とお話ししましたが、単になんとなく興味があって来たという方よりは、現場の担当者だったり、経営者だったり、インフルエンサーマーケティングについて意思決定を行なう立場の方が集まっていた印象があります。そしてそれぞれの分野の専門の方々とのお話はとても濃いもので、私自身大変勉強させていただきました。

参加者の方々からは、

「ぶっちゃけた話がありわかりやすかった」
「自社で普段悩んでいることに関して、他社の意見が聞けた」
「リアルタイムで質問できるシステムが良かった」
「実例に基づいた話が聞けた」

などのお声をいただきました。

 

今回のセミナーで感じたのは、登壇者のお話も懇親会でのお話もそうですが、やはり最前線で取り組んでいる企業の知見は、何よりも価値があるということです。そういうものをうまく取り入れ、インフルエンサーマーケティングを実施し自社の知見を蓄積していくことが、成功の鍵なのではないかと感じます。

株式会社エビリーは、今後も「インフルエンサーマーケティングのデータ活用専門企業」として、随時セミナー等も開催してまいります。

機会がございましたら、是非お越しください。

 

なお、弊社が提供する分析ツール
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