動画マーケティングの最新動向2018|モバイル配信に注目
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2018年、いよいよデジタル広告がテレビ広告を初めて逆転するという予測が発表されました。また、IGTVやTikTokなど、動画アプリ関連にも動きが出ていて、2018年の動画マーケティングの動向からは目が離せません。現在の動画マーケティングにおける最新動向について解説しますのでぜひご一読ください。
デジタル広告がテレビ広告を初めて逆転
世界の広告費は、この10年間で成長し続けています。その中でも、デジタル広告の成長は目覚ましく、今後も2桁の成長が見込まれるほどの好調ぶりです。動画マーケティングの最新動向の最新トピックは、2018年6月、電通イージス・ネットワークが発表した「2016年に、デジタル広告がテレビ広告を追い抜く」という予想でしょう。
発表によると、2018年にデジタル広告は全広告の中で38.4%を占めると予測。この数字は、デジタル広告が初めてテレビ広告を上回ることを示しています。調査対象の59カ国のうち、19カ国でこの逆転現象が見られるとのことです。デジタル広告とテレビ広告の逆転現象を促進した要因の一つが、動画配信サービスの成長です。
これまでは、自分の好きな映像コンテンツを楽しむには、レンタルビデオを利用するなど、ある程度お金を掛ける必要がありました。ところが、動画配信サービスが手軽な月額料金で良質な映像コンテンツを提供するように。その結果、テレビの視聴者を奪っていることが、テレビ離れに拍車をかけています。
テレビ離れが進む一方で、動画広告市場は現在も好調です。国内YouTuber市場は2016年から2017年で2.2倍、国内動画広告市場全体としても2016年から2017年で1.6倍に成長。この成長はまだまだ続くと予想されています。動画広告市場がさらに伸びる土壌は整っているという状況です。
IGTVのリリースとその影響
人気の写真投稿SNSのInstagramからは、2018年6月に「インスタ版YouTube」とも言えるIGTVという機能がリリースされました。IGTVは、Instagramのアプリ内からも利用でき、IGTV専用のアプリからも利用可能です。Instagramはこれまでも動画投稿が可能でしたが、最長で1分、ストーリーズは15秒という短い時間の動画に制限されていました。
今回サポートされたIGTVは、フォロワーを引き継いだまま自分のチャンネルを作成できます。アップロードできる動画の長さは最大60分。ただし、一般ユーザーは現在のところ最大10分までです。フォロワーの多い大規模ユーザーや認証済みユーザーが最大60分までの動画アップロードできます。この仕様はYouTubeをかなり意識していると言えるでしょう。
IGTVの大きな特徴は、スマホでの撮影を意識した縦型動画であるという点。視聴する時も、いちいちスマホを横に向けなくていいようにとの配慮からは、かなりスマホユーザーを意識している様子が伺えます。。この点は、YouTubeと大きく違う特徴と言えるでしょう。。
まだサービスが始まって間もないIGTVですが、I同時期に導入されたショッピング機能とを掛け合わせると、面白い展開が見られそうです。IGTVの使われ方と動画投稿数の伸び次第では、動画マーケティングにも新たな影響が出てくるのではないかと考えられます。
TikTok等のモバイル配信アプリの台頭
IGTV以外にも、モバイル配信アプリは人気が出てきています。TikTokは、音楽動画を配信する中国製アプリ。中国でかなりの人気が出ており、2018年1~3月(第一四半期)では約4,580万回と世界でもっとも多くダウンロードされたアプリとなりました。
バイドゥの配信しているiQiyiも動画ストリーミングアプリで、同時期に世界で9位のダウンロード数です。Facebook製のアプリがベストテンにいくつかランクインしていますが、中国製のアプリのダウンロード数もかなり目立ちます。これだけダウンロード数が多いと、ユーザーも増えてモバイルでの動画配信が増えてくるのではないでしょうか。これからの動画配信は、モバイルでの配信が主流になるかもしれません。
動画広告市場の中でモバイル配信がどう伸びるかがキーに
2018年の動画マーケティング市場における最新動向を解説しました。ここまで説明してきたことを、もう一度簡単に振り返ります。
全世界の広告市場で、デジタル広告がテレビ広告を追い抜きそうな2018年は、マーケティング市場にとっては大きなトピックとなる年です。全世界の広告市場自体も毎年成長を続けているため、動画広告市場はまだまだこれからも大きく伸びていくでしょう。
そのような状況の中で、Instagramがスマホユーザーが利用することを意識したIGTVという動画投稿機能をローンチしました。YouTubeは、あくまでもパソコンでの視聴を意識した横長の画面です。しかしIGTVはスマホでの撮影や視聴が楽になる縦型動画で最大60分の動画が作れます。
また、2018年第一四半期にはTikTokなどのモバイル配信アプリが多くダウンロードされていることも合わせ、今度の動画広告市場も、パソコンからモバイルへと流れが加速しそうな環境が整いつつあります。2018年の動画マーケティングは、モバイル配信の動向に注目したいという状況です。